「週刊文春」で2021年から連載されている(1年半)のは知っていたが、もう連載は去年終わっていたというのは知らなかった。(連載が終わったから「単行本」が出たわけだが。)週刊誌や新聞の連載小説って、なんか読む気がしない。(ゴメンナサイ…)週刊誌は、記事とコラムと書評を読むものだという頭があるから・・・(個人の感想です)。
さて、しかし久々に「一気に読める小説!」という感じで、恐らく、ここに出てくる箱根駅伝のランナーより、速く読んだと思う(自分調べ)。おもしろかった!
「上巻」は、箱根駅伝の予選会の「10位」までに入れずに「本選出場」が叶わなかった学校から、タイムの良い人を選抜した寄せ集めの「学生連合チーム」が出来上がるまでの苦労を描いていて、これはこれでじっくりと読めて「山あり谷あり」。
それと「箱根駅伝」を中継放送するテレビ局のモデルは、もちろん「日本テレビ」。小説では「大日テレビ」となっていますが、私でも知っている「実名登場」の人も複数いて、ここは「ほぼドキュメンタリー」「ノンフィクション」なのではないかと思われました。池井戸さん、実地取材をされたのでしょうね。中継のセンター担当のベテランアナウンサーが「がん」になって「誰がその穴を埋めるのか」とか、まさに「実話」に基づく感じでした。
また、登場する大学も「実名」の大学と「仮名・架空」の大学が混在していて「仮名・架空の大学」のモデルは、どこかかな?などと、想像しながら読みました。
おもに「人間関係」を描いていて面白かった。しかし、読み終わったときに、
「『下巻』は箱根駅伝・本大会のレースの様子を書くのだろうが、果たして一冊分で納められるのかな?」
と思ったのだが・・・それは杞憂でした。
(2024、4、30読了)


