「令和ことば事情9367」で書いた、
「ポイ活」
というのは、
「ポイントを貯める活動」
でしたが、今回「京都新聞」のネット記事で目にした、
「ポイ卒」
は、全然違います。京都の大学生が卒業に際して、それまで使っていてもう不要になった自転車を、そのまま放置して、
「ポイ捨てして卒業」
していくことを指すというのです。
「立つ鳥 後を濁さず」
の「正反対」の、けしくりからん行為です。(「けしくりからん」って、久々に使ってみた!)
グーグル検索では(5月2日)、
「ポイ卒」=2490件
そんなに使われていないのが幸いですが、この言葉は(行為も、もちろんですが)ダメだと思います。なぜなら「ポイと捨てる」と「卒業する」という、
「別の2つの意味」
を含んでいるから。
それだと「ポイ活」もダメでしょうか?でも「ポイ活」は、「ポイ」が目的語で、
「ポイントを貯める活動をする」
という意味では「1つの意味」だからOKです。
「ポイ活を卒業する」
という意味なら、
「ポイ卒」
はOKですが。ちなみにグーグル検索では(5月2日)、
「ポイ捨て」= 415万件
「ポイ活」 =2550万件
でした。「ポイ捨て」より「ポイ活」のほうが、ネット上では「5倍以上」使われているのは驚きです。
「三省堂国語辞典・第八版」にも、まだ「ポイ活」は載っていません。「ポイ」っと捨てる意味での「ポイ」は載っていても、この意味(ポイントの略語)での「ポイ」の用例は載っていないようです。あ、そうだ、
「金魚すくいの紙の網」
のことも「ポイ」と言いますが、それも載っていませんでした。
(2024、5、2)


