9389「ポイ卒」

2024 . 5 . 2

9389

 

 

「令和ことば事情9367」で書いた、

「ポイ活」

というのは、

「ポイントを貯める活動」

でしたが、今回「京都新聞」のネット記事で目にした、

「ポイ卒」

は、全然違います。京都の大学生が卒業に際して、それまで使っていてもう不要になった自転車を、そのまま放置して、

「ポイ捨てして卒業」

していくことを指すというのです。

「立つ鳥 後を濁さず」

の「正反対」の、けしくりからん行為です。(「けしくりからん」って、久々に使ってみた!)

グーグル検索では(5月2日)、

「ポイ卒」=2490件

そんなに使われていないのが幸いですが、この言葉は(行為も、もちろんですが)ダメだと思います。なぜなら「ポイと捨てる」と「卒業する」という、

「別の2つの意味」

を含んでいるから。

それだと「ポイ活」もダメでしょうか?でも「ポイ活」は、「ポイ」が目的語で、

「ポイントを貯める活動をする」

という意味では「1つの意味」だからOKです。

「ポイ活を卒業する」

という意味なら、

「ポイ卒」

はOKですが。ちなみにグーグル検索では(5月2日)、

「ポイ捨て」= 415万件

「ポイ活」 =2550万件

でした。「ポイ捨て」より「ポイ活」のほうが、ネット上では「5倍以上」使われているのは驚きです。

「三省堂国語辞典・第八版」にも、まだ「ポイ活」は載っていません。「ポイ」っと捨てる意味での「ポイ」は載っていても、この意味(ポイントの略語)での「ポイ」の用例は載っていないようです。あ、そうだ、

「金魚すくいの紙の網」

のことも「ポイ」と言いますが、それも載っていませんでした。

 

(2024、5、2)