『切手もの知り図鑑~一番切手50のエピソード』(内藤陽介、日本郵趣出版会:2024、5、1)

2024 . 5 . 10

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著者の内藤陽介さんに贈ってもらいました。いつもありがとうございます!

これは、見開き「2ページ」で「50のテーマ」について、

「(世界で・日本で)一番最初に発行された切手」

とその周辺事情を語るという形なので「2×50」で「100ページぐらい」と、大変読みやすい。その上、カラー写真が豊富で、見開きで2ページなのだが、内容はぎっしり・みっしりと詰まっていて“お得”な感じ。大変勉強になり、おもしろい本です!

具体的な項目は、

「動物と植物」(イヌ・ネコ・トラ・ライオンなど12項目)

「科学技術」(宇宙ロケット・プラネタリウム・虹・飛行機・テレビ・望遠鏡など10項目)

「社会と文化」(ディズニー・野球・造物・ケーキ・タトゥー・髑髏など15項目)

「神話・伝説と宗教」(クリスマス・太陽・月・農業・仏教・龍など13項目)

である。シンプル。なかでも私が「そうだったのか!」と「一番」興味を引かれたのは、

「虹」

だ。それによると江戸時代までの日本では“紅緑の虹”との表現で「虹は4色」とするのが普通だったそうです。西洋では1672年にニュートンが白色の太陽光は様々な色が混じったものであることを証明し、当初は、

「赤・黄・緑・青・紫」の「5色」

としたのだそうですえ?「7色」じゃなかったのか!

そして1704年の著書「光学」で「橙と藍」を加えて「7色」にしたんだそうです。

知らなかった…。

このニュートンの考え方は、江戸時代後期の蘭学者・宇田川榕庵(ようあん)によって日本にも紹介され、明治以降の学校教育を通じて全国に広まったと。

これに対して1940年代前半、アメリカでは、虹を「7色」とした場合に、肉眼では藍色は青や紫とほとんど区別がつかず、

「虹は6色と考えたほうがいい」

という考え方が広まり、第二次大戦後の1948年以降のアメリカの教科書には、

「虹は6色(藍色なし)」

と記されるようになり、それが「世界標準」になったそうです。

日本でも、専門家の間では、1952年頃までに「虹は6色」という見解が定着したものの“一般の常識”は、いまだに、

「7色」

で、根強く残っていると内藤さんは書いています。たしかに!でも、

「LGBTQの旗の虹の色は、6色」

なので、今後は日本でも「6色」が定着していくかもしれませんね!

 

 

(2024、5、6)