9364「学校の門をくぐる」

2024 . 4 . 9

9364

 

 

入学式のニュースを見ていたら、

「新入生たちが『学校の門』をくぐりました」

とアナウンサーが原稿を読んでいました。それを聞いて、

「門は『くぐる』ものなのか?」

と思ったのです。その学校の門は、「両側が塀」になっていて、上に構造物がなかったからです。だから、その「門」は正確には、

「門柱」

であって、新入生は、

「門柱の間を通り抜けた」

ということなのです。「くぐる門」というのは、

「凱旋門」「南大門」「南禅寺の山門」「羅生門」

のように「屋根」というか「上に構造物がある物」を指すのではないでしょうか?つまり、

「城門」

のような形ですね。それがないものを「門」と呼んでいいのでしょうか?いいとしても、

「門をくぐる」

と言っていいのでしょうか?

これは、たまたま映像が「門柱の間を通る新入生」で、そこに「門をくぐりました」というナレーションが付いたので、違和感がありましたが、

「入学」

のことを指して比ゆ的に、

「学校の門をくぐる」

という表現は「間違いではない」と思うんので、それぞれは「間違いではない」。

けれど、それが合わさると、

「合成の誤謬」

みたいなものが出てくるのかなあと思ったのでした。

「三省堂国語辞典・第八版」で「門」を引くと1番目の意味は、

「(1)建物や敷地の出入り口(になる構造物)。(例)門を閉める。」

とありました。

 

(2024、4、8)

(追記)

そういえば、日本テレビの朝の番組「ZIP」の最後に、今年は「パリ五輪」が開催されるということで、スタジオに「凱旋門」のミニチュアを置いてその間にフリスビーを通すというゲームをやっていますね。先週ぐらいからかな。なかなか「狭き門」で、成功しないみたいですが。あれは、

「凱旋『門』を『くぐり』抜ければ成功」

ですね。

わかりやすい。

(2024、4、10)