入学式のニュースを見ていたら、
「新入生たちが『学校の門』をくぐりました」
とアナウンサーが原稿を読んでいました。それを聞いて、
「門は『くぐる』ものなのか?」
と思ったのです。その学校の門は、「両側が塀」になっていて、上に構造物がなかったからです。だから、その「門」は正確には、
「門柱」
であって、新入生は、
「門柱の間を通り抜けた」
ということなのです。「くぐる門」というのは、
「凱旋門」「南大門」「南禅寺の山門」「羅生門」
のように「屋根」というか「上に構造物がある物」を指すのではないでしょうか?つまり、
「城門」
のような形ですね。それがないものを「門」と呼んでいいのでしょうか?いいとしても、
「門をくぐる」
と言っていいのでしょうか?
これは、たまたま映像が「門柱の間を通る新入生」で、そこに「門をくぐりました」というナレーションが付いたので、違和感がありましたが、
「入学」
のことを指して比ゆ的に、
「学校の門をくぐる」
という表現は「間違いではない」と思うんので、それぞれは「間違いではない」。
けれど、それが合わさると、
「合成の誤謬」
みたいなものが出てくるのかなあと思ったのでした。
「三省堂国語辞典・第八版」で「門」を引くと1番目の意味は、
「(1)建物や敷地の出入り口(になる構造物)。(例)門を閉める。」
とありました。
(2024、4、8)



(追記)
そういえば、日本テレビの朝の番組「ZIP」の最後に、今年は「パリ五輪」が開催されるということで、スタジオに「凱旋門」のミニチュアを置いてその間にフリスビーを通すというゲームをやっていますね。先週ぐらいからかな。なかなか「狭き門」で、成功しないみたいですが。あれは、
「凱旋『門』を『くぐり』抜ければ成功」
ですね。
わかりやすい。
(2024、4、10)