「令和ことば事情8636エゾジカか?エゾシカか?」の続きです
というか、これの答えが分かりました!ひらめいたのです。しかもそれは4年ぶりの北海道旅行で、4年ぶりに飛行機に乗って4年ぶりに新千歳空港会お土産物屋さんを見ていた時に。「エゾシカの肉を使った缶詰」に、
「エゾシカ」
と濁らずに書いてあるのを見て、ひらめいたのです。
「そうか『エゾ』が『ゾ』で濁っているから、その後の「シカ」は連濁せずに清音で『シカ』なんだ!『ニホンジカ』は『ニホン』に濁音が入っていないから、そのあとの「シカ」は濁って『ニホンジカ』になるんだ!これは“何とかの法則”だって、この間読んだよね!」
と。何の法則だっけ?そうだ、
「ライマンの法則」
だ!解決!!
と思って念のためにネット検索して「ライマンの法則」を調べたら、
「いわゆる『後部要素に既に濁音がある場合は連濁が起こらない』という法則である。『はる-かぜ(春風)』『やき-そば』などが連濁しないのは、まさに後部要素に濁音があるからだと考えられる。」
とあるではないですか!
あちゃー、「エゾ-シカ」は「後部要素」ではなく「前部要素」(エゾ)に濁音があるから、当てはまらないのか?
と思ったのですが、更に以前読んだ、橋本陽介著『日本語の謎を解く~最新言語学Q&A』(新潮選書:2016年)をひも解くと、「後部要素に濁音がある場合」ではなく、
「近くに濁音があると、連続で濁音にしないほうがいいという意識が働く」
とあります。例として、
「永田(ナガ-タ)」「長嶋(ナガ-シマ)」
は、「前部要素」の直前に濁音があるために、
「ナガダ」「ナガジマ」
にはならない、とのこと。これだと「エゾ-シカ」が「エゾ-ジカ」にならない理由も納得ですね!ありがとう、ライマンと橋本陽介さん!


