9317「うまみを逃さない」

2024 . 2 . 22

9317

 

 

2月20日朝の日本テレビ「ZIP!」を見ていたら、女性リポーターが、

「カボチャのおいしさを逃さない」

というのを、

「にがさない」

と言っていました。しかしこれ、正しくは、

「のがさない」

じゃないですかね。

似ていますが、ニュアンスが違います。意味の違いについて考えてみました。(「にがす」「のがす」は「平仮名」で書きますね。)

*「にがす」

「小鳥(・魚)をにがす」「犯人を取りにがす」というように、

「人や動物など捕まえていた身柄を、その支配下から外に出す」

ような場合に使いますね。あ、

「排気管から煙をにがす」

のように「人や動物以外」にも使うか。

 

*「逃(のが)す」

「チャンスをのがす」「優勝をのがす」のように、どちらかと言うと、

「人以外、抽象的なもの」

に使い、

「捕まえようとしたのに、捕まえられなかった状態」

ですかね。

「うまみをのがさない」

の「うまみ」も「抽象的」ですよね。これは、

「うまみを、捕まえた状態のままにすること」

ですね。また、

「見のがす」

とは言っても、

「見にがす」

とは言わないな。

ここで辞書を引いてみましょう。「精選版日本国語大辞典」。

*「にがす」=(1)捕まえていたものを放してやる。逃げるにまかせる。また、捕まえていたものに逃げられる。のがす。(2)捕まえようとしたものに逃げられる。捕まえそこなう。のがす。(3)略。(例)にがした魚は大きい。

この「にがした魚は大きい」は(2)の意味ですよね。

「のがした魚」

とは言いませんね。

*「のがす」=(1)にがす。にげさせる。失する。逸する。(2)危機・災難などから免れさせる。救う。

あ、そうか、

「危機からのがれた」

というのは、

「危機からにげた」

とは言わないですね。

「網の目を潜り抜けるようにして避ける・よける」

ですね。やはり微妙に使い方は違いますね。

こういう微妙なニュアンスを、伝え手はみんな、身に着けてほしいよなあ。

 

(2024、2、21)