漢字で、
「この頃」
と書くと、「頃」を「濁って読むか、どうか」で、
「このごろ」「このころ」
の「2通りの読み方」が考えられます。
通常の「連濁」だと意味は変わりませんが、「この頃」は、「ころ」と「ごろ」で意味が変わります。つまり、
「このごろ」=「最近」「近頃」の意味
「このころ」=「当時」の意味
になってしまいます。同じ指示語の「こそあど言葉」でも、
「その頃」=「そのころ」しかない。
「あの頃」=「あのころ」しかない。
「どの頃」=「どのころ」しかない。
というように「連濁しません」
「連濁する」のは「この頃」しかないということは、
「本来は『濁らない』のだが、『この』だけは特別に『濁って、別の意味を表す言葉がある』」
ということですね。いやあー、奥が深い。
「この頃」
という「漢字表記」は避けたほうが「誤解・誤読」を招かなくてよい、ということですね。
(2024、2、19)


