実は今年読み終えた1冊目。足掛け2年かかりました(笑)。なんといっても親書で、
「522ぺージ」
ですからね。厚さが「2、5㎝」、ということは、「五百円硬貨の直径」と同じだ!
でも、対象の「ジュリー」は(テレビなどで)知っている人だし、グループサウンズ時代はあまり知らなくても、ソロになってからの活躍はよく知っているし、70年代の後半は、ほぼ同時代を生きて来た「青春まっ只中」だったから、それらの曲を鼻歌で歌いながら読み進むことができました。帯の文字は、
「ジュリー、あんたの時代はよかった!」
それは、ジュリーが曲「カサブランカ・ダンディ」の中で、映画「カサブランカ」主演のハンフリー・ボガート(愛称・ボギー)に向かって、
「ボギー、ボギー、あんたの時代はよかった!」
って歌っている「そのまんま」やん!でもピッタリとハマったセリフだなあ。
圧巻の情報量・データを駆使して浮かび上がらせる沢田研二、そして彼が生きた日本の時代。それらを読んでいて、私が一番「おーっ!」と思ったのは、まず、
「1977年秋 オリコンチャート上位3曲」(424ページ)
だ。当時、私は高校1年生。しっかりとこの時代のことは覚えているつもりだった。
しかし、この、
「沢田研二(勝手にしやがれ)vs.ピンク・レディー(渚のシンドバッド)」
の「トップ争い」は、驚異的である。「F1レース」を見ているようだ。
(1位) (2位) (3位)
6月20日 勝手にしやがれ 雨やどり 星の砂
27日 渚のシンドバッド 勝手にしやがれ 雨やどり
7月 4日 渚のシンドバッド 勝手にしやがれ 星の砂
11日 渚のシンドバッド 勝手にしやがれ 星の砂
18日 勝手にしやがれ 渚のシンドバッド イミテイション・ゴールド
25日 勝手にしやがれ イミテイション・ゴール 渚のシンドバッド
8月1日 勝手にしやがれ 渚のシンドバッド イミテイション・ゴールド
8日 勝手にしやがれ 渚のシンドバッド イミテイション・ゴールド
15日 渚のシンドバッド 勝手にしやがれ イミテイション・ゴールド
22日 渚のシンドバッド 勝手にしやがれ イミテイション・ゴールド
29日 渚のシンドバッド 勝手にしやがれ イミテイーション・ゴールド
9月5日 渚のシンドバッド イミテイション・ゴールド 勝手にしやがれ
3か月にわたる凄まじいデッドヒートではないか!
そして、更にその後を見ると、今度は当時の「ピンク・レディー」の超絶の勢いに舌を巻く。今度は「ウォンテッド(ピンク・レディー)vs.憎みきれないろくでなし(沢田研二)」だ。
「1977年秋 オリコンチャート上位5曲」(429ページ)<のうちの3位まで>
(1位) (2位) (3位)
9月12日 渚のシンドバッド お化けのロック 遠慮するなよ
9月29日 ウォンテッド お化けのロック 憎みきれないろくでない
26日 ウォンテッド お化けのロック 愛のメモリー
10月3日 ウォンテッド 愛のメモリー お化けのロック
10日 ウォンテッド 愛のメモリー 憎みきれないろくでなし
17日 ウォンテッド 人間の証明 秋桜(コスモス)
24日 ウォンテッド 人間の証明 秋桜(コスモス)
31日 ウォンテッド 人間の証明 秋桜(コスモス)
11月7日 ウォンテッド 人間の証明 秋桜(コスモス)
14日 ウォンテッド 人間の証明 秋桜(コスモス)
21日 ウォンテッド 人間の証明 憎みきれないろくでなし
28日 ウォンテッド わかれうた 憎みきれないろくでなし
これは「ピンク・レディー完勝」である。すごいな「ウォンテッド」!
というように、ピックアップされた表を見るだけで、もう時代を感じられる。すごい本だ。


