9285「芦原のアクセント」

2024 . 1 . 31

9285

 

 

「セクシー田中さん」などの作品で知られる漫画家の「芦原妃名子さん」が亡くなりました。謹んで哀悼の意を表します。

さて、この、

「芦原」

という名字の読み方、アクセントですが、

  • ア/シ\ハラ(中高アクセント)
  • ア/シハラ(平板アクセント)

のどちらか?と質問を受けました。聞いてきた本人・N君は、

(2)ア/シハラ

だと思っていたそうなのですが、日本テレビのお昼のニュースで、女性アナウンサーが、

  • ア/シ\ハラ

と読んでいたというのです。昔、関西経済連合会会長(関西電力社長)で、

「芦原義重」

という人がいて、この人のことは「平板アクセント」で、

(2)ア/シハラ・ヨ/シ\シゲ

とニュースで読んでいたことを思い出しましたが、結論から言うと、

「どちらでもよい」

んじゃないのかなと思って、そう言いました。放送後に、

「○原」

という名字の人のアクセント(4拍)について考えてみたら、次のようになりました

(1)「○/○\○○」(中高アクセント)

相原、鮎原、岩原、上原、川原、砂原、高原、立原、西原、平原、山原

(2)「○/○○○」(平板アクセント)

石原、柏原

(3)「○\○○○(頭高アクセント)

相原、大原

 

というように、圧倒的に、

(1)「○/○\○○」(中高アクセント)

が多いですね。それに従うと「芦原」も「(1)ア/シ\ハラ」かなあ?

でも「(2)「○/○○○」(平板アクセント)の2つの名字は、共に、

「○/シハラ」

となっていて、「ハラ」の前が「シ」ですよね。そうすると「アシハラ」も「○シハラ」のアクセントと考えれば、(2)「○/○○○」(平板アクセント)の仲間で、

「ア/シハラ」

かな?あ、しかし「○シハラ」でも「西原」は(1)「○/○\○○」(中高アクセント)だしなあ・・・謎は深まるばかりです。

と、ここまで書いて読み返して思ったのは、

「石原、岩原、上原、大原、柏原、川原、砂原、平原、山原」

を「人の名字」ではなくて「普通名詞」として発音すると、

「全部、平板アクセントになる」

ということです。それで思い出したのは、

「新幹線の名前」

のことで、

「はやて」「さくら」

という「新幹線の名前」は、「頭高アクセント」で、

「ハ\ヤテ」「サ\クラ」

と一般に言われます。人名で「フーテンの寅さんの妹」も「サ\クラ」と「頭高アクセント」です。でも、どちらも「一般名詞」で読むと、「平板アクセント」で、

「ハ/ヤテ」「サ/クラ」

ですよね。つまり、

「『一般名詞』で『平板アクセント』のものは、『人名や乗り物の名前のような固有名詞』になると『頭高アクセント』『中高アクセント』という『起伏型アクセント』となって、『一般名詞と区別する傾向』がある」

ということなのではないでしょうか?

どうでしょう、これは?

 

(2024、1、31)