9246「『すごい』と『すごく』」

2024 . 1 . 11

9246

 

 

八代亜紀さんの訃報をお伝えした1月10日の「ミヤネ屋」のテロップをチェックしていたら、八代さんに対して、

「“コロナ禍”のステイホームで、絵画をどのぐらい描きましたか?」

という質問がありました。それに対する八代さんの答えが、テロップでフォローされていて、

「すごい絵を描いた」

とあったのですが、それを、

「すごく絵を描いた」

に直しました。「すごい」と「すごく」で、これは完全に意味が変わってきますよね。

つまり、

*「すごい」=形容詞=名詞(「絵」)を修飾

*「すごく」=副詞=動詞(「描いた」)を修飾

八代さんは、

「ステイホームでずっと家にいて時間があったから、たくさん絵を描いた」

と言いたかったのだと思います。話の流れから、それは明白です。

つまり、

「すごい絵を描いた」

のではなく、

「絵をすごくたくさん描いた」

のですよね。それならば、実際の話し言葉では、

「すごい」

と言っていても、文字でフォローするなら、

「すごく」

にしたほうが、意味が伝わりやすいと思ったのでした。

 

(2024、1、10)