9243「失当」

2024 . 1 . 5

9243

 

 

宝塚歌劇団の、自殺したとみられる25歳女性を巡る問題で、遺族側の代理人弁護士が開いた2023年11月14日の会見で、

「報告書の内容は失当」

という言葉が出て来ました。この中の、

「失当(しっとう)」

は、聞き慣れない言葉です。

「三省堂国語辞典」を引くと、

*「失当」=(文語)道理に外れるようす。不当。(例)「原告の主張は失当だ」

と載っていました。「文語」と出ていますが、例文を見ると、やはり「法律用語」のように思われます。「広辞苑」は、

*「失当」=当を得ていないこと。不当。不都合。(例)「失当の措置」「失当な評価」

意味からいうと、ふだんは、

「不当」

という言葉を使いそうな状況ですね。

「新明解国語辞典」の語釈は、もう少し噛み砕いた感じで、

*「失当」=その人のやった事が適当とは思われない様子だ。

とありました。

「明鏡国語辞典」では、

*「失当」=やり方などが適当でないこと。道理に合わないこと。不当。

でした。共通しているのは、

「道理に合わない」

という感じですね。

「失当」という言葉、これまで「しっとう」は、

「執刀」「失投」

しか知りませんでしたが、これでまた1つ、新たな言葉を覚えました。

 

(2023、12、28)