宝塚歌劇団の、自殺したとみられる25歳女性を巡る問題で、遺族側の代理人弁護士が開いた2023年11月14日の会見で、
「報告書の内容は失当」
という言葉が出て来ました。この中の、
「失当(しっとう)」
は、聞き慣れない言葉です。
「三省堂国語辞典」を引くと、
*「失当」=(文語)道理に外れるようす。不当。(例)「原告の主張は失当だ」
と載っていました。「文語」と出ていますが、例文を見ると、やはり「法律用語」のように思われます。「広辞苑」は、
*「失当」=当を得ていないこと。不当。不都合。(例)「失当の措置」「失当な評価」
意味からいうと、ふだんは、
「不当」
という言葉を使いそうな状況ですね。
「新明解国語辞典」の語釈は、もう少し噛み砕いた感じで、
*「失当」=その人のやった事が適当とは思われない様子だ。
とありました。
「明鏡国語辞典」では、
*「失当」=やり方などが適当でないこと。道理に合わないこと。不当。
でした。共通しているのは、
「道理に合わない」
という感じですね。
「失当」という言葉、これまで「しっとう」は、
「執刀」「失投」
しか知りませんでしたが、これでまた1つ、新たな言葉を覚えました。
(2023、12、28)


