「お金」「お花」「おもち」「おせち」「お肉」「お墓」「お庭」「お水」「お酒」「お店」「お車」・・・
のように、名詞の最初に付く、
「お」
は、一般的に、
「美化語」
と呼ばれるもので、丁寧に聞こえます。これまでは、
「女性が使うことが多かった」
と思います。それは、
「女房詞(ことば)」
に端を発するからではないかと思われます。
しかし現在は「お」が付くことが一般化して、
「おやつ」「おから」
のように「お」を取る(外す)とおかしなことになる言葉もあります。また、
「おひや」(=水)「おにぎり」(=おむすび)
のように「お」を外すと「ひや」(=日本酒)、「にぎり」(=寿司)というように、
「別の意味になる言葉」
もあります。それらは置いておいて、「報道のニュース」で扱う場合に、
「『お』を付けるかどうか」
の判断が、なかなか難しくなってきています。
たとえば、「裏金問題」のニュースなどで、
「特捜部はお金の流れを調べています」
と言ったら「お金」はおかしい、「金」だろ!と言えますが、すこしやわらかいニュースで、子どもたちに経済ついて教えるというようなケースでは、
「日銀の職員が子どもたちに、お金のしくみについて説明しました」
というのは「お金」を「金」にすると「事件っぽく」なってしまいます。
ケース・バイ・ケースですね。
では、「物価高」のニュースで、中継やスタジオトークでは「お肉」「お野菜」としゃべっていても「ストレートニュース」では「肉」「野菜」ですよね。ややこしい。もっとややこしかったのは、この前「北朝鮮」についてパネルで紹介した際に出て来た図に、
「お金」
と書かれていたので、
「これは『金』でいいだろ」
と「お」を外したところ、ディクターが、
「『金総書記』なども出てくるので、間違えるといけないので『お』を付けて『お金』にしたい」
と言ってきました。でも、「金総書記」は、
「金(キム)」
と全部ルビを振っているし、
「金正恩(キムジョンウン)」
とほぼ全部フルネームだから、わかるだろうと思いましたが、まあ「お金」も間違いではないので、そこはそのまま「お金」にしましたが。
たしかに北朝鮮でなくても、「金」だけだと、
「Moneyの金」か?「Goldの金」か?
は分かりにくいです。だから「Moneyの金」は以前から「カタカナ」で、
「カネ」
と書くことも多いですね。
この問題、今後も悩まされそうです。


