9216「行と業、形と型」

2023 . 12 . 5

9216

 

 

「同音異義語」

というものがあります。「音」は同じだけど「漢字表記」が異なり、当然、似ているけれども「意味は違う言葉」です。例えば、

「修業」と「修行」

これは「修行」が使われることが多いように思いますが、本来は、

「職業(仕事)」=修業

「宗教(精神)」=修行

と使い分けます。だから、

×「うどん職人の修行」→○「うどん職人の修業」

です。

また、「ヘアスタイル」のことや、「体の形」のことを、

「髪型」「体型」

と書くことが多いと思いますが、「新聞用語集2022年版」や「共同通信記者ハンドブック14版」などによると、どちらも「型」は使わず、

「髪形」「体形」

と書くことになっています。「形」と「型」の意味の使い分けは、

*「形」=フォーム、すがた(例)足形(踏み跡)、大形の模様、髪形、自由形(水泳種目)、ハート形、やせ形

*「型」=手本、パターン、タイプ(例)足型(靴製造の木型)、大型機械、大型の台風、型通り、型にはまらない、ひな型、紋切り型、型式証明

などです。結構、区別が難しいですよね。

11月27日放送の日本テレビ「月曜から夜ふかし」で、司会の村上信五さんの「髪がた」についての話が出ました。その際のテロップは、

「髪形」

と出ていました。新聞・テレビのニュース的には、これが正しいのですが、「報道番組」ではなく「バラエティー番組」でも「髪形」と書かれていることに、ちょっと感動しました。

さて、ここで問題です。

「歯がた」

は「形」か?「型」か?

・・・・

正解は、

*「歯形」=かんだ後に残る歯の形。(例)「腕に歯形が残った」

*「歯型」=歯医者さんで取る歯の型。(例)「歯型鑑識」

と、「使い分ける」のですね。

おわかりいただけましたか?

 

(2023、12、5)