9212「うどん焼き」

2023 . 11 . 28

9212

 

 

11月20日の日本テレビ「月曜から夜ふかし」を見ていたら、香川県では、

「ランチタイム」

のことを、

「タイムランチ」

と言うと紹介していました。また、

「焼きうどん」

のことは、

「うどん焼き」

と言うと紹介していました。なぜかは分からないけど、分かった方は情報を下さいと。

考えてみることにしました。さっそく、香川県(高松市)出身の「うどん大好き」の先輩に聞いてみたら、

「たしかに、そう言う」

とのことでした。

「うどん焼き」という香川県の表現は、

「焼いたうどん」

という「状況」ではなく、

「うどんを焼く」「うどんを焼いた形の料理」

という「動作」を表していて、

「『うどん』ありき」

の表現なのではないでしょうか?さすが「うどん県=香川県」です!

これは、「焼き卵」ではなく、

「卵焼き」

と言うのが、

「卵ありき」「卵メイン」

で、

「そのあとに、調理法が来るネーミング」

であるのと、同じなのではないでしょうか?

他にも考えてみましょう。

「焼きアナゴ」は「焼いたアナゴ」で「調理法の『焼き』」が先で「食材は後」。

「焼きとうもろこし」は「焼いたとうもろこし」で「調理法の『焼き』」が先で「食材は後」。

「焼きリンゴ」は「焼いたリンゴ」で「調理法の『焼き』」が先で「食材は後」。

「焼きそば」は、「焼いた中華そば」で「調理法の『焼き』が先で「食材は後」。

でした。全部、

「焼きうどん」

と同じ形です。

一般的には「うどん」の調理法は、

「茹でる」

ですが、それを、

「『焼く』という調理法が先」

に来るのは、

「調理法が一般的ではない。いくつかある調理法の中の一つで、特徴的だ」

と考えているからではないでしょうか。

これらは「アナゴ焼き」「とうもろこし焼き」「リンゴ焼き」「そば焼き」とは言わない気がします。「そば」も、普通は「茹で」ますね。「アナゴ」と「とうもろこし」は「蒸す」、「リンゴ」は「生」かな。

これに対して、「調理法の『焼き』が後ろに来るもの」を挙げると、

「卵焼き」「たこ焼き」「お好み焼き」「ネギ焼き」=「具材+焼き」

「塩焼き」「みそ焼き」=「調味料+焼き」

「今川焼」「どら焼き」「すき焼き」「なべ焼き」=「発祥や形状・道具+焼き」

などがあります。形から言うと「うどん焼き」は、こちらと同じです。

一旦ここでグーグル検索(11月28日)。

「焼きうどん」=657万0000件

「うどん焼き」=  3万8400件

まあ、この結果は分かっていましたが、思った以上に「うどん焼き」は少ないですね。

うーん、やっぱり「卵焼き」に代表される「卵」のように、あまりにも一般的で応用範囲の広い食材の場合には、

「調理法が後」

になるのではないか?つまり「卵焼き」「たこ焼き」「お好み焼き」「ネギ焼き」と同様に、

「具材+焼き」

のパターンです。

「香川県」では「うどん」があまりにも一般的(ベーシック)な食べ物なので、

「うどん焼き」

の形になるのではないか?というのが、一応の結論です。

 

(2023、11、28)