9187「2023年のアクセント」

2023 . 11 . 15

9187

 

 

11月15日の「ミヤネ屋」の吹き替えで、

「2023年は、これまでで最も暑い夏だった」

というEUの気象関連の機関の方の吹き替えがありました。

これを読んでいて、ハタと吹き替え録音の手が止まったのは、

「『2023年は』の『23年』部分のアクセントは、

(A)「ニ\ジュー・サ\ンネン」

(B)「ニ\ジュー・サ/ンネン」

(C)「ニ\ジューサンネン」

のどれか???ということです。

「NHK日本語発音アクセント新辞典」の数詞と助数詞のアクセント表によると、

「3年」は「サ/ンネン」という「平板アクセント」しか載っていないのですが、

「13年」は「ジュ/ーサ\ンネン」という「中高アクセント」になっています。

しかし「23年」は載っていないのです。ということは、

「3年」を優先させると(B)「ニ\ジュー・サ/ンネン」

「13年」の前に「2」が付くと考えたら(A)「ニ\ジュー・サ\ンネン」

になると思います。どっちなんでしょうね?

と、用語委員に尋ねたら、Hアナウンサーから、

「私は基本的にはきっと(C)を使います。ただし、これは『23年』を、他の年同様のひとつの記号として、個別の意味の軽重のない、並立的な数字として語る前提でのアクセントです。しかしことしが『23年』ですから、まさに当年だという条件の下では(A)もよく使っています。これは、『21年』や『22年』ではなく『ことし=23年だ』という『強調』『粒立て』の気持ちがその背景にある言い方です。『2023年』が何かエポックメーキングな年だというニュアンスが求められる内容でなければ、ことしが過ぎたらきっと(C)をより多く使うことにすると思います。一方『13年』は、『ジュ/ーサ\ンネン』とします。私はどうやら『10台以下』と『20より上』という境目で、数字アクセントの原則を変える運用をしているようです。」

とのことでした。これに対して、

「『2023年』で体言止めにするのではなく、助詞の『は』が付いた『2023年は』だと、どうしますか?」

と再度、問うたところ、

「助詞『は』を付けた場合と、体言止めのように使う場合とでは、少々(A)の頻度は変わり、体言止めのほうが(A)は、より現れやすくなります。しかし年末向け番組で『20233年はどんな年だったか?』という原稿を読むとしたら、文脈によって(A)を選択する場合があると思います。)

という回答でした。

またМアナウンサーからは、

「平板=(B)以外で読んだ記憶がありません。『13年』のアクセント(中高)で『23年』というと、なまっているような気さえします。何が原因なのか説明できないのですが…。」

とのことでした。

「平成23年」

の際は、あんまり気にならなかったなあ。主に「西暦」で、

「2011年」

と言っていたのかな?

 

(2023、11、15)