9206「『くるむ』と『つつむ』2」

2023 . 11 . 27

9206

 

11月27日の「ミヤネ屋」で、愛知・名古屋市内のマンションで貴金属買い取り店の42歳の男性店長の遺体が見つかった事件で、29歳の女が逮捕されたというニュースを放送しました。その中で、男性店長の遺体は、

「毛布に包まれていた」

という表記と、

「毛布にくるまれていた」

という表記があり、漢字の、

「包まれて」

を「平仮名」の、

「くるまれて」

に直しました。ここで問題は「つつむ」と「くるむ」は共に、

「包む」

と書けますが(ただし「くるむ」という読みは、常用漢字表には載っていない「表外訓」です)、“意味の違い”はどういうものなのか?ということです。

「大体、『毛布』は『くるむ』だね。赤ちゃんをくるむ『おくるみ』もそうだし、『毛布にくるまって』と言うし、『人間』は『くるむ』で、その他のものは『つつむ』かな。『つつむ』のほうが、範囲が広いよね。」

と言って実際に、国語語辞典を引いてみたのですが、それほどはっきりとは、違いは書かれていません。

「よおし、そんじゃあ、俺が調べて書くかな!」

そんなことを、テロップのオペレーターに話していたら、その彼が、

「道浦さん、もうすでに書いてはりますよ」

と。彼の示すスマホを見ると、

「平成ことば事情2943『くるむ』と『つつむ』」

という項目がありました。「2007年8月」に書いていました。もう「16年前」か!

そして、そこには大体おんなじことが書かれていて、辞書も引いていました。ただ、そこでの結論は、

「厚手のものは『くるむ』、薄手のもので、細かく折り畳めるものは『つつむ』」

というような結論でしたので、着地点は少し違うのかもしれませんね。そちらも、読んでみてくださいね。

(2023、11、27)