11月9日の「ミヤネ屋」で取り上げた北朝鮮情勢のパネルで、
「在外公館 続々と閉鎖」
という文言があり、違和感を覚えました。これは、
「続々と」
ではなく、
「次々と」
ではないかと思って直しました。意味は確かに似ています。ニュアンスが違うんですよね。
「続々と」のほうは、
「あとからあとから押し寄せる感じ。全体の状況を表している。」
「外からやって来る感じ」
がします。一方の「次々と」あるいは「次々に」はと言うと、
「(文字通り)次から次へと、一つ終わるとまた次が発生する様子。個別の連続性」
「内部から生まれる感じ」
がします。そしてこの場合は「在外公館閉鎖」という、どちらかと言うと、
「マイナス方向」「縮小方向」
の動きで、しかも「内部の動き」ですので、そういうものに「続々と」は使いにくいと感じます。「続々と」の使用例で思い付くものを挙げてみますと、
「続々と申し込みがある」
「続々と参加者が集まった」
という感じ。
一方「次々と」「次々に」は、
「次々に仕事を片付ける」
「次々と問題が発生する」
「(ベルトコンベアが)次々と品物を運んでくる」
のように、
「連続性」「プラスでもマイナスでも使える」
ような気がします。
「三省堂国語辞典・第八版」を引くと、
・「続々」=どんどん続くようす。(例)続々(と)申し込む。
・「次々」=とぎれることなしに(あらわれる・する)ようす。あとからあとから。かたはしから。(例)問題が次々(に)出てくる
とありました。おおよそ、私の語感と一致しています。
「明鏡国語辞典・第3版」は、
・「続々」=絶え間なく続くさま。(例)「観客が続々(と)詰めかける」「注文が続々(と)来る
・「次々」=同種の事態があまり間をおかずに起こるさま。(例)スターが舞台に次々(に)登場する。次々(と)新曲を発表する。
また「新明解国語辞典・第8版」は、
・「続々」=あとからあとからひっきりなしに続く様子。(例)続々と入場する。新型機種が続々と登場する。
・「次々」=同じような事が間を置かずに引き続いて起こる様子。(例)次々と事件が起こる。ベテラン選手が次々と引退していく。新しい住宅が次々と建つ。
とありました。
「明鏡」と「新明解」の「次々」の語釈は似ていますね。
しかし私の感覚では「続々=あとからあとから」「次々=絶え間なく」で、この2つの辞書のいう「続々」と「次々」の語釈は、「逆」のように感じます。
一方「広辞苑・第七版」は、
・「続々」=ひき続いて絶えないさま。(例)観客が続々と詰めかける。
・「次々」=後から後から続いて出現・実現するさまと。(例)「大作を次々と発表する」「来賓が次々に挨拶する」。
やはり、微妙な使い分けはあるようです。



(追記)
実は「令和ことば事情8822続々と次々」で、同じことについて書いていたので、これは「続々と次々2」にします。このあと「3」もご期待ください!
(2025、3、6)