9210「子ども食堂の表記」

2023 . 11 . 28

9210

 

 

「子ども食堂」

の表記は、

「子ども」「こども」「子供」

のどれなのでしょうか?前から気になっていましたが、この機会に調べてみましょう。

まずはグーグル検索です(11月27日)。

「子ども食堂」=345万0000件

「こども食堂」=239万0000件

「子供食堂」 = 12万7000件

全部漢字で「子供食堂」は少ないけど、「子ども食堂」と「こども食堂」は結構、拮抗していますね。

「子ども食堂:こども食堂」=「3:2」ぐらいかな。

国立国会図書館の「調査と情報No.1239」(2023年6月21日)の、国立国会図書館調査及び立法考査局社会労働課の大久保玲さんのリポート、

「子ども食堂の現状と課題」

によると、「子ども食堂」は2022年には全国で7000か所を超えましたが、地域による偏りもあるそうです。(多い県は「沖縄・滋賀・鳥取、」少ない県は「秋田・長崎・岡山」)

そして、「このリポートでの表記」に関しては、

「本稿における『こどもしょくどう』の表記は『子ども食堂』で、また『こども』の表記は『子ども』で統一する。ただし、制度名、引用及び固有名詞はそれぞれの表記に従う。」

という注意書きがありました。

そして、全国の子ども食堂の運営者間の連絡会の名前は、

「こども食堂ネットワーク」

と「平仮名書き」、この他、ここに出てくる参考文献を見たら、

<子ども>

・和田悠「子ども食堂づくり運動の現状と課題」『ピープルズ・プラン』74号,2016.Aut.

・七星純子「第1章なぜ、子ども食堂は社会的インパクトを与えたのか」『千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書』332号,2018.2.28,

・「安中市子ども食堂連絡会議設置要綱」(平成31年3月29日 安中市告示 第52号)

・金子淳子「子ども食堂を起点とした「子どもの貧困」支援事業」『外来小児科』22(2),2019.5,

・「子ども食堂の取り組み知って 動画サイトで PR 安中」『上毛新聞』2021.4.13

・和田悠「『子ども食堂』と名乗らない」『朝日新聞』(東海共通)2022.5.25.

<こども>

・湯浅誠「こども食堂の過去・現在・未来」『地域福祉研究』47 号, 2019

・阿部未央「複合機能をもつ『こども食堂』と社会福祉」『山形大学法政論叢』73号,2020.3

・全国こども食堂支援センター・むすびえ「こども食堂の現状&困りごとアンケート vol.7 結果報告」2022.

<子供>

・農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集―地域との連携で食育の環が広がっています―」2018.3

 

といったところで、混在していますねえ。

そして、新たにできたあの役所の名称は、

「こども家庭庁」

です。

 

(2023、11、27)

(追記)

12月15日の「朝日新聞」夕刊に、

 

「こども食堂 公立中とほぼ同数に」

 

という見出しの記事が。ここでは、「こども」と全部「平仮名」でしたが、これはこの調査をしたのが、

 

「認定NPО法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ」

 

だからだと思います。代表が湯浅誠さんです。

しかしこれって、全然、喜ばしくないですよね。だって「こども食堂」に頼らなくちゃいけない子どもたちが増えているってことでしょう?しかも、こういうことは、まさに国や地方自治体、公共団体が「税金を使って」やるべきことなんじゃないでしょうか?

もちろんその前に、そういう子どもたちを増やさないようにすることが「第一」ですが。

(2023、12、15)