各地で「クマ」が里に下りて来て、被害が出ています(ちょっと落ち着いたか)。
猛暑のせいで、餌の「ドングリ」が不作なのが理由だとか。10月の最初に、
「コカインベア」
という、いかにもB級感漂う映画を見たんですが、実はかなり怖かった。「ホラー」でした。「ジュラシックパーク」の「恐竜」みたいに「クマ」が襲って来るのです。実際にクマに襲われたら、めちゃくちゃ怖いんだろうと思いました。
さて、その「クマ」のアクセントですが、私は標準語としては、
「ク/マ\」(尾高アクセント)
で読むようにしています。今のアクセント辞典には、
「ク\マ」
という「頭高アクセント」も載っていますが、それだと「落語」の、
「八っつあん、クマさん」
の「人名」のように感じてしまいます。ただし「関西弁アクセント」だと、「頭高」の、
「ク\マ」
なんですが。このアクセントは「東京」の人も、よく使うんですよね。あの徳光アナウンサーもずっと「頭高アクセント」の「ク\マ」って言っていたように思います。
NHKの「アクセント新辞典」が出たあとに(2016年)、改訂に携わったNHK放送文化研究所の塩田雄大さんに、「クマ」のアクセントに関して聞いたことがあります。
その際、「クマ(熊)」に関しては、やはり、
『従来の「ク/マ\)」(尾高アクセント)の他に「ク\マ」(頭高アクセント)も言うのでは?』という声が、NHKのアナウンサーからも出たので、イントラネットを使っての調査したそうです。
「ク/マ\(尾高アクセント)が放送でふさわしいかどうか」
を尋ねた後、少し間を空けて、
「ク\マ(頭高アクセント)が放送でふさわしいかどうか」
「Yes」か「No」か「聞いたことがないアクセント」かの「3択」で尋ねたそうです。
実は「クマ」のアクセントに関しては、これまで(1962年・1981年・1996年)も調査が行われていたそうですが、その際は「ク/マ\」(尾高)と「ク\マ」(頭高)の「2つのアクセント」を見せて、「どっちを放送で使いますか?」という「2択」だったので、常に、
「ク/マ\」
が採用されて来たとのこと。今回は「両方のアクセント」を聞かせて「○×」を付けさせる形にしたところ、支持率は、
・「ク/マ\」(尾高)=84%
・「ク\マ」(頭高)=52%
ということで、「頭高」の「ク\マ」も、
「半数以上のアナウンサーが『放送で使う』と答えた」
のだそうです。
こうしてピックアップされた「5500語」が「改定案」に選ばれ、原則として、
「81%以上のアナウンサーが『放送で使う』と答えたアクセント」
は「新たに採用」し、
「50%以下のもの」
は「採用は時期尚早」として「不採用」だったという話でした。
それを思い出しました。
クマ、早く冬眠してくれないかな。


