9143「車上荒らし」

2023 . 10 . 6

9143

 

 

先日「ミヤネ屋」の世界衝撃映像で、中国の高速道路の渋滞で、中国人ドライバーが、

「車の屋根の上」

に登って踊り出したという映像を放送しました。その際に出したテロップが、

「車上」

でした。車の屋根の上でしたから。それを見て思ったのは、

「車上荒らし」

という言葉。あれは「車の上」ではなく「車の中」を荒らすのだから、「車上」ではなく、

「車中荒らし」

なのではないか?と。だって、

「車中泊」

とは言っても、

「車上泊」

とは言わないですし、車の屋根の上では寝ない(寝られない)ですよね。

そうすると「車上荒らし」は正確には、

「路上の車中荒らし」

あるいは、

「路上荒らし」

ではないか?と思ったのです。

国語辞典(三省堂国語辞典)で「車上」を引いてみました。するとそこには、

*「車上」=(1)自動車の中。(例)車上ねらい(「車上荒らし」とも)車上からのひったくり。車上の人となる(=車に乗る)

(2)自動車の荷台・屋根などの上。

と書かれていたのです。え?「車上」の1番目の意味は、

「自動車の中」

なの?そうだったのか!

つまり、この意味での「車」は、覆いの付いた「自動車」ではなく、あくまでも、

「車=車輪、タイヤ」

なのではないか?「その上」だから「車上」。そのうち、その「車」に「覆い(ボディー)」が付いて、その覆いも含めて「車」と呼ばれるようになったことで、

「車上」=「車中」

の意味が生まれたのではないか?

他の交通機関で考えると、

「船」は「船上の人」「船中泊」

「飛行機」は「機上の人」「機中泊」

と、「車」と同じような使い方をしますね。

いやあ、勉強になるなあ。

 

(2023、10、6)