先日「ミヤネ屋」の世界衝撃映像で、中国の高速道路の渋滞で、中国人ドライバーが、
「車の屋根の上」
に登って踊り出したという映像を放送しました。その際に出したテロップが、
「車上」
でした。車の屋根の上でしたから。それを見て思ったのは、
「車上荒らし」
という言葉。あれは「車の上」ではなく「車の中」を荒らすのだから、「車上」ではなく、
「車中荒らし」
なのではないか?と。だって、
「車中泊」
とは言っても、
「車上泊」
とは言わないですし、車の屋根の上では寝ない(寝られない)ですよね。
そうすると「車上荒らし」は正確には、
「路上の車中荒らし」
あるいは、
「路上荒らし」
ではないか?と思ったのです。
国語辞典(三省堂国語辞典)で「車上」を引いてみました。するとそこには、
*「車上」=(1)自動車の中。(例)車上ねらい(「車上荒らし」とも)車上からのひったくり。車上の人となる(=車に乗る)
(2)自動車の荷台・屋根などの上。
と書かれていたのです。え?「車上」の1番目の意味は、
「自動車の中」
なの?そうだったのか!
つまり、この意味での「車」は、覆いの付いた「自動車」ではなく、あくまでも、
「車=車輪、タイヤ」
なのではないか?「その上」だから「車上」。そのうち、その「車」に「覆い(ボディー)」が付いて、その覆いも含めて「車」と呼ばれるようになったことで、
「車上」=「車中」
の意味が生まれたのではないか?
他の交通機関で考えると、
「船」は「船上の人」「船中泊」
「飛行機」は「機上の人」「機中泊」
と、「車」と同じような使い方をしますね。
いやあ、勉強になるなあ。
(2023、10、6)


