斎藤茂吉「赤光」を読んでいたら、
「木伐(こ)り」
「伐(こ)る」
という表記が出て来ました。
「伐採」
の「伐」の字は、
「伐(き)る」
と読むことは知っていましたが、
「伐(こ)る」
と読むとは知りませんでした。「令和ことば事情9164戦ぐ(そよぐ)・戦く(おののく)」で、「戦」という漢字は、
「『戈(ほこ)』でパタパタ(バタバタ)敵をなぎ倒す」
という意味で「戈」は「ほこ」を表すと書きましたが、「伐」という字は、
「人が戈(ほこ)を持っている」
のだから「伐(き)る」という動作を表しているのでしょう。
「木を伐(き)る」
のであれば、
「木伐(き)り」
なのではないか?その「き」が「こ」に変化したのか。いや、逆に、そもそも「伐る」は
「こる」
と読んでいて、
「『木を伐(こ)る』から『木伐(こ)り』」
になったと考える方が、自然かもしれません。
でも「きこり」という漢字は、
「樵」
という字もあったではないか。あれは、「木」が伐られるから「焦」っているのかな?
グーグル検索では(10月23日)
「木伐り」= 8760件
「木こり」= 498万0000件
「きこり」= 142万0000件
「キコリ」= 55万1000件
「樵」 =1480万0000件
「木樵」 = 15万9000件
でした。常用漢字じゃないけど「樵」が圧倒的です。次は交ぜ書きで「木こり」。これが一番、一般的いかな。
あ、そうそう、きのう映画を見に行った時に「次回(12月1日)公開」ということで大きなポスターが貼ってあった映画のタイトルが、
「怪物の木こり」
でした。いろいろ勉強になります。
(2023、10、23)


