9167「木伐(こ)り・伐(こ)る」

2023 . 10 . 23

9167

 

 

斎藤茂吉「赤光」を読んでいたら、

「木伐(こ)り」

「伐(こ)る」

という表記が出て来ました。

「伐採」

の「伐」の字は、

「伐(き)る」

と読むことは知っていましたが、

「伐(こ)る」

と読むとは知りませんでした。「令和ことば事情9164戦ぐ(そよぐ)・戦く(おののく)」で、「戦」という漢字は、

「『戈(ほこ)』でパタパタ(バタバタ)敵をなぎ倒す」

という意味で「戈」は「ほこ」を表すと書きましたが、「伐」という字は、

「人が戈(ほこ)を持っている」

のだから「伐(き)る」という動作を表しているのでしょう。

「木を伐(き)る」

のであれば、

「木伐(き)り」

なのではないか?その「き」が「こ」に変化したのか。いや、逆に、そもそも「伐る」は

「こる」

と読んでいて、

「『木を伐(こ)る』から『木伐(こ)り』」

になったと考える方が、自然かもしれません。

でも「きこり」という漢字は、

「樵」

という字もあったではないか。あれは、「木」が伐られるから「焦」っているのかな?

グーグル検索では(10月23日)

「木伐り」=     8760件

「木こり」= 498万0000件

「きこり」= 142万0000件

「キコリ」=  55万1000件

「樵」  =1480万0000件

「木樵」 =  15万9000件

でした。常用漢字じゃないけど「樵」が圧倒的です。次は交ぜ書きで「木こり」。これが一番、一般的いかな。

あ、そうそう、きのう映画を見に行った時に「次回(12月1日)公開」ということで大きなポスターが貼ってあった映画のタイトルが、

「怪物の木こり」

でした。いろいろ勉強になります。

 

(2023、10、23)