9135「公子・公女」

2023 . 10 . 2

9135

 

 

もう2年前になりますが、2021年10月18日に「ミヤネ屋」で「英国王室」と他国の「王室」を取り上げました。その中に、

「モナコ公国」

がありました。「国王」に当たる人は「王国」ではなく「公国」なので、

「〇〇公」

としましたが、その子どもたちは、

「公子」「公女」

にすべきかどうか?について相談しました。その際の結論は、

「『英国』に合わせて、子どもたちは『皇太子』『王子』『王女』とする。」

でした。

本当は「英国」も、

「王国」

なので、

「女王」(当時は「エリザベス女王」。今は「チャールズ国王」)

となっています。ですから「チャールズ」は、

「王太子」(当時。今は「ウィリアム皇太子」)

なのですが、新聞・放送では、日本の「皇室」になぞらえて、

「皇太子」

としています。しかし、その子どもたちは、「王国」なので

「王子」(当時「ウィリアム王子」「ヘンリー王子」)

というように「王子」を使っていて、この「ねじれパターン」が定着しています。

一方「公国」はめったに出て来ず、「公子」「公女」はなじまないので、「英国」にならって、

「皇太子」「王子」「王女」

でいけば、いいのではないか?という話をしたのでした。

ところが。

「ミヤネ屋」の視聴者はレベルが高いです!翌日、視聴者センターに、

「『モナコ公国』なのに、ナレーターが、『王妃』と読んでいたが、正しくは『公妃』なのではないのか?」

というご指摘が入りました。視聴者のご指摘通りなのですね。ただ確かに「公国」なので正しくは、

「公妃」

ですが、聞き慣れないので「公」は取って、

「妃」

にしていたのですが、1か所だけ「王妃」になっていたようでした。

つまり「2021年時点では、以下のようなことでした。

( )内は本来の呼称。

【日本】   【王国(英国など)】  【モナコ公国】

天皇・皇后  王【女王】・王妃【殿下】  公・(公妃→)妃

皇室・皇族  王室・王族      (公室・公族→)王室・王族

皇太子   (王太子→)皇太子   (公太子→)皇太子

皇子・皇女  王子・王女      (公子・公女→)王子・王女

 

実は「公子」「公女」は、子どもの頃に読んだ本で、

「小公子」「小公女」

では出て来ましたが、あれは「公国」の話だったんですね。しかし「小公子」「小公女」はあっても、

「小王子」「小王女」

はないなあ。

ちなみに、「王」の下の「爵位」には5段階ありまして、上から順に、

「公爵」→「侯爵」→「伯爵」→「子爵」→「男爵」

で、これを覚えるのに、

「公(こう)侯(こう)伯(はく)子(し)男(だん)」

であると、小学生の頃に親から聞きました。

 

・・・で、2年経って先日また「モナコ公国」を「ミヤネ屋」で取り上げたのですが、今回は、

「公位継承順位」

という言葉も使ったので、正しく、

「公子」「公女」

としたのでした。しかし「公太子」は「皇太子」にしました。

「ねじれ」は、解消できていません。

 

(2023、9、29)