『経済的徴兵制』(布施祐仁、集英社新書:2015、11、22第1刷・2016、7、11第2刷)

2023 . 10 . 13

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8年前に出て僕が買ったのが7年前。この著者のジャーナリースト・布施さんのことは、ツイッター(当時)で知ってフォローしてこの本も買ったが、読みさしになっていた。

遂に読み切った。

アメリカに関しては「経済的徴兵制」的なことは、マイケル・ムーア監督が「華氏911」(2004年)で描いていたが、日本の「自衛隊」でも同じようなことが起こっているということを、布施さんは詳しい調査に基づいて書いている。

この本が出た少し前の「2014年」に、政府が集団的自衛権の行使を閣議決定して以降、自衛隊の中途退職者が増えていて、自然災害があって災害救助の必要があっても、自衛隊の志願者は全く増えず、逆にグラフ(117ページ)を見てグンと志願者が増えているのは、明らかに2009年、リ-マンショック後だ。つまり自衛隊入隊の動機は「経済的理由」なのである。

また、「80ページ」の表を見よう。2007年度の「高卒新卒入隊率のランキングの出身県」の10位までと「その県の貧困率ランキング順位」を並べると、

(出身県)(貧困率)

青森     8位

北海道   14

宮崎     5

熊本    11

鹿児島    3

長崎     7

大分    13

佐賀    18

岩手    18

秋田    15

の順。「東北・北海道」と「九州」だ。見事に「首都圏・近畿圏・中京圏」という「都市部」はないのである。

ここまで、はっきり出ているのか。

このデータから、もう15年以上たっているが、その後はどうなのだろうか。気になる。

 

 

(2023、10、11読了)