『この国の同調圧力』(山崎雅弘、SB新書:2023、7、15)

2023 . 10 . 3

2023_094

 

 

著者の山崎さん、小学生の頃に「他人の遊び方に口を出す同級生グループ」というのがあって、その多数派グループになびかずに「100円グルメ」という自分の好きなことを個人でやっていたら、そのグループのリーダー(「ガキ大将」みたいなものか)に、にらまれて嫌がらせを受けたという経験から書き出しています。つまり世の中には「他人の行動を自分のコントロール下に置きたがるリーダー」というのがいるのだと。いるいる、マウント取りたがるバカ。大人になってもいますよ。本当にうっとうしい!自分の手下と遊んでいればいいやん!と思います。

また、中学になると、納得のいかない非合理なルールを「みんな我慢しているんだから」と従わせようとする教師が。いたいた!本当にバカじゃないのか?と思って逆らいました。大人でも賢い人とバカな人がいると、中学の時に学びました。教えてくれてありがとう。

日本における同調圧力の典型的なパターンは「空気を読め」だと、著者は言います。そういえば「KY」って言葉が、はやりましたね。ちょっと乗せられました…。

「日本人なら〇〇をして当然」

という同調圧力。

先日見た映画「福田村事件」は、今から100年前の関東大震災の時、四国から千葉県に薬の行商に来ていた人たちを「言葉が違うから」といって、井戸に毒を入れたりする「朝鮮人」だとして虐殺した事件。それを防ごうとする地元の人たちも「この人たちは、朝鮮人じゃない!」と言うのだが、それを聞いた当人たちが「朝鮮人なら、殺してもええと言うんか!」と立ち向かい…と。

あれも、虐殺を行った村人たちは「同調圧力」を使って「集団暴力」に至った事件だったな。理屈も何も通じない世界だから。しかもそこに「熱狂」という要素が加わると、「理性」ではコントロールできなくなる。そんなバカな動物が「人間」なのだと。何も「日本人」に限ったことではないですね、これは。

でも、確かに日本人は「同調圧力」が好き。それは、自らを「集団や組織」に埋没させ「一体感を得る」ことで、「安心感」を得ることが出来るから。まさに「チーム一丸となる」のですね。わからなくもない。

ただ、全体が間違った方向に向かったときに、ブレーキが利かなくなる。これが恐ろしいのですね。「個の力」をしっかり認める社会を作らないと、「集団」で「地獄」に向かってしまうかもしれない、ということですね…できるのかな?でも、やらないといけない!

 

 

(2023、9、11読了)