9149「シンクロナイズドスイミングとアーティスティックスイミング」

2023 . 10 . 10

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内田樹と白井聡の対談本「新しい戦前~この国の“いま”を読み解く」(朝日新書:2023、8、30)を読んでいたら、映画「スター・ウォーズ」と「新世紀エヴァンゲリオン」の世界観が似ているという話が出て来ました。どちらもよく知らないのですが、西洋的な「成長観=ビルドゥングの物語」

があり、それは、

「自分探しの旅」

に通じると。(でもその成長観は「西洋的」であって、日本や東洋は「修行」を通じて得られるという点が違うとも。)「新世紀エヴァンゲリオン」では、各登場人物の、

「シンクロ率」

が、モビルスーツのような戦闘機械を操縦する「技量」を決めるというような話で、白井さんが話していました。この「シンクロ率」という言葉を見て思い出したのは、

「シンクロナイズドスイミング」

という名称が、

「アーティスティックスイミング」

に変わったことです。

なぜ「エヴァ」の「シンクロ率」で「シンクロナイズドスイミング」を思い出したのか?というと

「シンクロするかどうか」=技術

「アーティスティック」 =技術を踏まえた芸術性

ということじゃないのかな、と思ったからです。

「シンクロ」の名称が変わったのは、いつからだったか調べてみると、「2017年」に決まって、

「2018年4月」

から世界一斉に変わったようです。(世界選手権では、2028年3月から。)

当時はずいぶん違和感がありましたし「シンクロナイズドスイミング」は「シンクロ」と省略できるけど、「アーティスティックスイミング」はどう略するんだ?なんて思いましたが、最近はアルファベットで

「AS」

と略されているようですね。記事によると当時、日本水連は、

「アーティス」

という略称を普及させたい考えだと報じられていますが、これは普及しませんでしたね、結果的には。

名称変更の原因は、「団体」や「デュエット」なら「シンクロナイズ」(同調する)もわかるが「ソロ」で「同調」とは?ということもあったそうです。しかし、

「『ソロ』は『音楽とのシンクロ(同調)』」

という考えもあります。ちょっと無理やりか。

この競技が「芸術的」(=アーティスティック)であるのは確かですし、私が考えたことも、あながち的外れでもないなと感じたのでした。

「アーティステックスイミング」への名称変更から5年以上たって、もう定着した感がありますね。

 

(2023、10、10)