内田樹と白井聡の対談本「新しい戦前~この国の“いま”を読み解く」(朝日新書:2023、8、30)を読んでいたら、映画「スター・ウォーズ」と「新世紀エヴァンゲリオン」の世界観が似ているという話が出て来ました。どちらもよく知らないのですが、西洋的な「成長観=ビルドゥングの物語」
があり、それは、
「自分探しの旅」
に通じると。(でもその成長観は「西洋的」であって、日本や東洋は「修行」を通じて得られるという点が違うとも。)「新世紀エヴァンゲリオン」では、各登場人物の、
「シンクロ率」
が、モビルスーツのような戦闘機械を操縦する「技量」を決めるというような話で、白井さんが話していました。この「シンクロ率」という言葉を見て思い出したのは、
「シンクロナイズドスイミング」
という名称が、
「アーティスティックスイミング」
に変わったことです。
なぜ「エヴァ」の「シンクロ率」で「シンクロナイズドスイミング」を思い出したのか?というと
「シンクロするかどうか」=技術
「アーティスティック」 =技術を踏まえた芸術性
ということじゃないのかな、と思ったからです。
「シンクロ」の名称が変わったのは、いつからだったか調べてみると、「2017年」に決まって、
「2018年4月」
から世界一斉に変わったようです。(世界選手権では、2028年3月から。)
当時はずいぶん違和感がありましたし「シンクロナイズドスイミング」は「シンクロ」と省略できるけど、「アーティスティックスイミング」はどう略するんだ?なんて思いましたが、最近はアルファベットで
「AS」
と略されているようですね。記事によると当時、日本水連は、
「アーティス」
という略称を普及させたい考えだと報じられていますが、これは普及しませんでしたね、結果的には。
名称変更の原因は、「団体」や「デュエット」なら「シンクロナイズ」(同調する)もわかるが「ソロ」で「同調」とは?ということもあったそうです。しかし、
「『ソロ』は『音楽とのシンクロ(同調)』」
という考えもあります。ちょっと無理やりか。
この競技が「芸術的」(=アーティスティック)であるのは確かですし、私が考えたことも、あながち的外れでもないなと感じたのでした。
「アーティステックスイミング」への名称変更から5年以上たって、もう定着した感がありますね。


