9132「するくない?」

2023 . 9 . 29

9132

 

 

私の席の後ろを通りかかった「ミヤネ屋」の若い(20代前半)の女性スタッフの会話の一部が、スッと耳に入って来ました。それは、

「噛み切れへんかったりするくない?」

という言葉でした。「スルメ」の話なのかな?

これは、伝統的な関西弁ならば、

「噛み切れへんかったりせーへん?」

と言うべきところでしょう。京都なら、

「噛み切れへんかったりしーひん?」

「噛み切れへんかったりしやへん?」

とも言うでしょうけど。それが最近の若者言葉(…と言っても、もう10年以上は経っているでしょうけど)だと、

「噛み切れんくない?」

「噛み切れへんくない?」

などのように、一応、

「関西弁の否定形=ん・へん」

の後に、

「くない」

という「形容詞の活用語尾」が付いて「付加疑問文」のように使われてきました。

ところが、今回耳にした、

「噛み切れへんかったりするくない?」

は、伝統的な関西弁の否定形「噛み切れへん」に「かったり」が付いた後に、

「するくない?」

というように、

「否定形の後に、肯定形の『する』の後に、形容詞的活用に否定形の『くない?』が付く」

という形になっているところが「新しい」と思ったのです。

これに関して、以前は、

「噛み切れんことない?」

「噛み切れへんことない?」

というように、

「こと」

が使われていましたが、

「『こと』の代わりに『く』になった」

と考えられますね。つまり、

「『するくない』は『する“こと”ない?』の進化系である!」

のです!どうでしょうか?

私の言っていること、「わかる」くない?それとも、「ダメ」くない?

 

(2023、9、29)