私の席の後ろを通りかかった「ミヤネ屋」の若い(20代前半)の女性スタッフの会話の一部が、スッと耳に入って来ました。それは、
「噛み切れへんかったりするくない?」
という言葉でした。「スルメ」の話なのかな?
これは、伝統的な関西弁ならば、
「噛み切れへんかったりせーへん?」
と言うべきところでしょう。京都なら、
「噛み切れへんかったりしーひん?」
「噛み切れへんかったりしやへん?」
とも言うでしょうけど。それが最近の若者言葉(…と言っても、もう10年以上は経っているでしょうけど)だと、
「噛み切れんくない?」
「噛み切れへんくない?」
などのように、一応、
「関西弁の否定形=ん・へん」
の後に、
「くない」
という「形容詞の活用語尾」が付いて「付加疑問文」のように使われてきました。
ところが、今回耳にした、
「噛み切れへんかったりするくない?」
は、伝統的な関西弁の否定形「噛み切れへん」に「かったり」が付いた後に、
「するくない?」
というように、
「否定形の後に、肯定形の『する』の後に、形容詞的活用に否定形の『くない?』が付く」
という形になっているところが「新しい」と思ったのです。
これに関して、以前は、
「噛み切れんことない?」
「噛み切れへんことない?」
というように、
「こと」
が使われていましたが、
「『こと』の代わりに『く』になった」
と考えられますね。つまり、
「『するくない』は『する“こと”ない?』の進化系である!」
のです!どうでしょうか?
私の言っていること、「わかる」くない?それとも、「ダメ」くない?
(2023、9、29)


