先日の大雨被害の様子を「ミヤネ屋」で放送した際に、道路が川のようになって、
「三角コーン」
が流れて来たという原稿がありました。そのまま放送しましたが、後で考えると、
「あの『コーン』(cone)の意味は『円錐』で、どこにも『三角』はない。コーンの下(底面)は『円』だし、それを立てるための土台は『四角』。そもそも『三角』は『平面』であって、『立体に三角はない』のではないか?」
と思ったのです。一般的にはたしかに「三角コーン」とも言われますが、正しくは、
「コーン」「ロードコーン」「カラーコーン」「パイロン」
などですよね。
ちなみに「トウモロコシ」は、
「コーン(corn)」
で綴りが違います。お菓子の、
「とんがりコーン」
は、形が「円錐」で「トウモロコシ」が原料だから、
「コーン(cone)」と「コーン(corn)」
の意味をかけたのかもしれません。
そんなことを、放送後にスタッフにメールしたところ、元読売新聞の校閲で、現在番組全般の校閲をしてくれているNさんから、
「『カラーコーン』は商標名です。」
というご指摘が!
あ!そうでした!「カラーコーン」は、
「セフテック」
という会社の「登録商標」でした。新聞協会用語懇談会作成の「特定商品名」の表によると、その言い換えとしては、
「(赤い)コーン(標識)」「パイロン」
が挙げられていました。すぐ「訂正」のメールをスタッフに送りました。
さらに数日後に考えたのは、
「三角屋根」「三角帽子」
という言葉です。これらも、
「三角ではない」
けれど、「平面的」に捉えたら、
「三角に見える」
ところから、そう名付けられているので、
「『三角コーン』は、必ずしも『ダメ』とは言えない」
という結論にたどり着いたのでした。
(2023、9、27)


