9127「三角コーン」

2023 . 9 . 28

9127

 

 

先日の大雨被害の様子を「ミヤネ屋」で放送した際に、道路が川のようになって、

「三角コーン」

が流れて来たという原稿がありました。そのまま放送しましたが、後で考えると、

「あの『コーン』(cone)の意味は『円錐』で、どこにも『三角』はない。コーンの下(底面)は『円』だし、それを立てるための土台は『四角』。そもそも『三角』は『平面』であって、『立体に三角はない』のではないか?」

と思ったのです。一般的にはたしかに「三角コーン」とも言われますが、正しくは、

「コーン」「ロードコーン」「カラーコーン」「パイロン」

などですよね。

ちなみに「トウモロコシ」は、

「コーン(corn)」

で綴りが違います。お菓子の、

「とんがりコーン」

は、形が「円錐」で「トウモロコシ」が原料だから、

「コーン(cone)」と「コーン(corn)」

の意味をかけたのかもしれません。

そんなことを、放送後にスタッフにメールしたところ、元読売新聞の校閲で、現在番組全般の校閲をしてくれているNさんから、

「『カラーコーン』は商標名です。」

というご指摘が!

あ!そうでした!「カラーコーン」は、

「セフテック」

という会社の「登録商標」でした。新聞協会用語懇談会作成の「特定商品名」の表によると、その言い換えとしては、

「(赤い)コーン(標識)」「パイロン」

が挙げられていました。すぐ「訂正」のメールをスタッフに送りました。

さらに数日後に考えたのは、

「三角屋根」「三角帽子」

という言葉です。これらも、

「三角ではない」

けれど、「平面的」に捉えたら、

「三角に見える」

ところから、そう名付けられているので、

「『三角コーン』は、必ずしも『ダメ』とは言えない」

という結論にたどり着いたのでした。

 

(2023、9、27)