9126「ガンダで」

2023 . 9 . 28

9126

 

 

「令和ことば事情9122ギャン泣き」で、

「『ギャン泣き』、使いますよ」

と答えてくれた澤口アナウンサーがその際に、もう一つ「よく使う若者言葉」として挙げたのが、

「ガンダ」

でした。「平板アクセント」で、

「ガ/ンダ」

だそうです。聞いたことがない言葉でした。

「ガンダムだってねえ」

「おう!ガンダの生まれよ!」

それは「ガンダ」じゃなくて、

「神田(カ/ンダ)」

ですね。そんな感じの「平板アクセント」です。「ガンダム」でも「神田」でもありません。

「どういう意味?どういうふうに使うの?」

と聞くと、

「意味は『頑張ってダッシュで行くこと』です。『寝坊してガンダで駅へ向かった』っていうふうに使います。」

と。やっぱり、

「ガンダで向かうのは、神田駅では?」

と少し思いましたが、ここは大阪です、口には出しませんでした。(エライ!)

「ミヤネ屋」の若い女性スタッフに、

「『ガンダ』って言葉、使う?」

と聞いたら、

「使わないですけど、意味はわかります。『ガンダッシュ』ですよね」

「その『ガン』ってのは『ガン見』の『ガン』みたいに強調した感じ?」

「そうですね、たぶん」

「澤口アナは『頑張ってダッシュする』の『ガン』って言ってたけど」

「フフフ、それは・・・」

というようなことでした。

この言葉は、いくら何でも「三省堂国語辞典」には載っていないでしょう・・・

載っていませんでした。俗語も俗語、「若者言葉」ですからね。

グーグル検索では(9月27日)、

「ガンダ」=205万件

も出て来ました。

「おしゃれもキャリアも。働く女性のWebメディア」

という枕詞のついたサイト「Oggi.jp」では、「2020年11月22日」に、

「謎の流行語『ガンダ』ってなんだ? 例文・類語から『ガンダム』との関係についてまでご紹介」

というタイトルの記事が載っていました。それによると、「ガンダ」の由来は、

『「ガンダ」の元の言葉である「ガンダッシュ」は、「ガンガンダッシュする」ことを指しています。「ガン」は、「すごく、思いっきり」といった強調を表す「ガンガン」の省略形です。「ガン見」「ガン無視」などの「ガン」も同様にここからきています。それに「ダッシュ」に付け加えることで、尋常ではない勢いで走る様子を表しているのです』

そして、例文も挙げていました。

「ガンダしたから、チャイムに間に合った」

「今からガンダで向かうね」

「仕事終わりにガンダでディズニー」

なるほど、やはり「ガン見」「ガン無視」の「ガン」で、元は、

「ガンガン」

か。そうすると、

「頑張って」

も、関係ないとまでは言えないかもしれませんね。「ガンガン」は「頑張る」ですからね。

いやあ、「若者言葉」、元気じゃないですか!

でもこれって、

「女性(特有)の言葉」

かな?そんな感じがする。

ちなみに、ことし大学に入ったばかりの娘に、

「『ガンダ』って言葉、知ってる?」

と聞いたら、最初、

「知らーん」

と言っていましたが、意味を説明したら、

「ああ、聞いたことある。けど、だいぶ前に流行った言葉とちゃう?」

という言葉が返ってきました・・・。そうなのか。

このサイトは、他にも「若者言葉」を紹介していましたので、詳しくはこちらをご覧ください。https://oggi.jp/6359845

 

(2023、9、27)