9092「のらとどら」

2023 . 8 . 30

9092

 

ふと思いました。

「どら猫」

とは言っても、

「どら犬」

とは言わない。「犬」は、

「のら犬」

ですね。「のらくろ」は「犬」、「ドラえもん」は「猫」。猫は、

「のら猫」

とも言いますが。

「どら」と「のら」はどう違うのか?

「どら」で思い出すのは「猫」以外では、

「どら息子」

ですね。

「どら娘」

はあまり聞かない・・・たまに聞くかな。

「のら息子」「のら娘」

は、全く聞きません。

「どら」は「のら」が強調された語という説もネットで見ましたが、そうかな?だとか。

「広辞苑」で「のら」「どら」を引くと、

*「のら」=(1)なまけること。なまけ者。のらくら。(2)放蕩すること。またその人

*「どら」放蕩・道楽。また、道楽者。のら。多く接頭語として用いる。

あ、そうか「どら」は、

「道楽」

が縮まって出来た言葉では!?だから「息子」に付くんだ!男性上位・長子相伝の男性社会において、

「道楽が出来るのは息子(男)だけ」

だったんですね!「道楽」して「のらりくらり」でしているから、「どら」と「のら」は近い言葉になっちゃったのかな。

ただ「のら犬」「のら猫」の「のら」は、「のらりくらり」の「のら」ではなく「野良」、つまり、

「その辺(野良)にいる、飼い主のいない犬や猫」

を指したのではないでしょうか?だから「野良息子」「野良娘」という言葉はないのではないでしょうか。その場合は、

「やどなし」

と言いますね。でもこれも「死語」かな?40年ぐらい前に(1978年)「世良公則とツイスト」の曲で、

「宿無し」

というのがあったな。

あと「放浪者」という意味では、

「バガボンド」

も同様の意味かな。

 

「どら猫」の「どら」は「のら」が強調されたのかもしれません。

「の」→「ど」

は、可能性ありますよね。

いやあ、普段何気なく使っている言葉も、掘り下げていくと、おもしろいですねえ。

 

 

(2023、8、30)