「ミヤネ屋」のフリップをチェックしていたら、
「責任をすりつける」
という言葉が出てきて「おやっ?」と思いました。これは「すりつける」ではなく、
「なすりつける」
なのではないか?と思ったのです。「な抜き言葉」か?そんなの、ないか。
しかしそもそも「なすりつける」って言葉は、
「責任をなすりつける」
以外では聞いたことがありません。
「なすりつける」と「すりつける」
は、どう違うのでしょうか?
辞書を引きましょう。「つける」を外すと「なすり」と「すり」。「なすり」の元の形は「なする」でしょう。「なする」ってどんな動作?「新明解国語辞典」を引きました。
*「する」(擦る)=(つぶしたり 傷つけたり するのが目的で)強く こする。(結果としてそうなった状態をも指す)(例)やすりで擦る(=みがく)、マッチを擦る、墨を擦る、もみを擦る(=もみがらを取り除く)、すり鉢(石うす)で擦る(=強い力を加え、原形が無くなるまで砕く)、財産を擦る(=ひどく(すっかり)減らす)、みそ(ごま)を擦る(=へつらう)【表記】摺る、磨るとも書く。みそ・ごまの場合は、ふつう「擂る」と書く。
*「なする」(擦る)=(1)指先などに粉・液体をつけ軽いタッチで物の表面をこするようにする。(2)負わせる(例)罪を他人になする
*「こする」(擦る)=物を何かの面に強く押し当てて前後などに続けて動かす。(例)手で顔をこする。
「する」が妙に詳しいけれども、「する」も「なする」も「こする」も、漢字は「擦る」なのか。(それ以外もあるけど)全部、
「ほぼ同じような意味」
ということか。微妙だな。ついでに、
*「こすりつける」=こするようにくっつける(例)鼻をこすりつける
*「なすりつける」=記載なし
「新明解国語辞典」によると、
「こする」=強い
「なする」=軽い
というイメージが。「なする」の「な」は「なでる」の「な」かな?「こする」の「こ」は「こづく」の「こ」かな?
グーグル検索(8月8日)では、
「責任をすりつける」 = 5件
「責任をこすりつける」= 4件
「責任をなすりつける」=2万5600件
でした。もう、使われている現状は明らかですね。こんな極端なのも珍しい。


