8月1日の「かんさい情報ネットten.」を見ていたら、
「十徳ナイフ」
を持ち歩いていて、「過料9900円」の判決を受けた人が、判決を不服として争っている裁判のニュースがありました。
その「十徳ナイフ」を、足立夏保アナウンサーが、
「ジュットクナイフ」
と読んでいたのが気になりました。これは、
「ジットクナイフ」
ではないのか?
「十」のあとに言葉が続いて「促音」(ッ)になるときは、本来は、
「ジッ」
です。それが、
「ジュッ」
も「許容」になってきて、「ジッ」のほうが劣勢ではあります。
捕物帳(時代劇)で岡っ引きが持っている、
「十手」
も、本来は、
「ジッテ」
ですが、
「ジュッテ」
も「許容」となっています。(「新聞用語集」2022年版「放送で標準とする読み方令」=468ページ。ただし「本来は『ジッテ』」と注意書きがあります)
また「岩波国語辞典」では、見出しは「じって」のみで「『じゅって』とも言う」とは書かれているもののそのあとに、
「1955年ごろに始まったもので、本来ではない。」
と、これも注意書きがあります。
「十徳ナイフ」
の「十徳」の発音については、
×「ジュットク」→〇「ジットク」
だと思います。「ジュットク」は聞いていて違和感がありました。
「NHKアクセント新辞典」には載っていませんが、「広辞苑」「三省堂国語辞典」「明鏡国語辞典」には(「十徳ナイフ」は載っていませんが)、
「十徳」
は載っていて、
「じっとく」
です。「じゅっとく」はありません。
「岩波国語辞典」は見出しは「じっとく」だけですが、語釈の中に、
「『じゅっとく』ともいう」
とありました。でも・・・。
「ジットク」
がベターだと思いました。
ま、一般的には、
「スイス・アーミー・ナイフ」
と呼ばれる音も多いかもしれませんが。
また、ネット検索したら、「十徳」どころか、
「二十徳ナイフ」
も販売されているようです。キャンプに行く人とかは、よく持ってらっしゃるのでは?
一応、お気を付けくださいね。


