9064「十徳ナイフの読み方」

2023 . 8 . 3

9064

 

8月1日の「かんさい情報ネットten.」を見ていたら、

「十徳ナイフ」

を持ち歩いていて、「過料9900円」の判決を受けた人が、判決を不服として争っている裁判のニュースがありました。

その「十徳ナイフ」を、足立夏保アナウンサーが、

「ジュットクナイフ」

と読んでいたのが気になりました。これは、

「ジットクナイフ」

ではないのか?

「十」のあとに言葉が続いて「促音」(ッ)になるときは、本来は、

「ジッ」

です。それが、

「ジュッ」

も「許容」になってきて、「ジッ」のほうが劣勢ではあります。

捕物帳(時代劇)で岡っ引きが持っている、

「十手」

も、本来は、

「ジッテ」

ですが、

「ジュッテ」

も「許容」となっています。(「新聞用語集」2022年版「放送で標準とする読み方令」=468ページ。ただし「本来は『ジッテ』」と注意書きがあります)

また「岩波国語辞典」では、見出しは「じって」のみで「『じゅって』とも言う」とは書かれているもののそのあとに、

「1955年ごろに始まったもので、本来ではない。」

と、これも注意書きがあります。

「十徳ナイフ」

の「十徳」の発音については、

×「ジュットク」→〇「ジットク」

だと思います。「ジュットク」は聞いていて違和感がありました。

「NHKアクセント新辞典」には載っていませんが、「広辞苑」「三省堂国語辞典」「明鏡国語辞典」には(「十徳ナイフ」は載っていませんが)、

「十徳」

は載っていて、

「じっとく」

です。「じゅっとく」はありません。

「岩波国語辞典」は見出しは「じっとく」だけですが、語釈の中に、

「『じゅっとく』ともいう」

とありました。でも・・・。

「ジットク」

がベターだと思いました。

ま、一般的には、

「スイス・アーミー・ナイフ」

と呼ばれる音も多いかもしれませんが。

また、ネット検索したら、「十徳」どころか、

「二十徳ナイフ」

も販売されているようです。キャンプに行く人とかは、よく持ってらっしゃるのでは?

一応、お気を付けくださいね。

 

(2023、8、3)