高校生が体育の授業で、
「シャトルラン」
をしていて熱中症で倒れたというニュースを「ミヤネ屋」で速報でお伝えしたところ、視聴者の方から、
「『シャトルラン』って何や?意味がわからん」
というご意見を頂きました。速報だったので、チェックする時間がほとんどなく、入って来た情報をそのままお伝えしてしまい、そのあたりの「説明の配慮」が欠けていました。すみませんでした。思うに、「シャトル」と言うとすぐに思い浮かぶのは、
「スペースシャトル」
ですよね。これは、
「宇宙と地球を行ったり来たりする乗り物」
ですし、
「空港へのシャトルバス」
の場合は、
「バス停から空港までを行ったり来たりするバス」
でしょうから、
「行ったり来たりすること」
だと思います。その、「ラン」=「走ること」なので、
「短い距離を行ったり来たりして走るトレーニングのこと」
を「シャトルラン」と言うのではないでしょうか?と、ぼんやりと考えていました。
これを、短く日本語に訳すとどうなるのでしょうか?
『三省堂国語辞典』に「シャトルラン」は載っているか?
「シャトル」は載っていました。
*「シャトル(shuttle)」=(1)→ひ(杼=機織りの道具)(2)(飛行機などの)定期往復便(例)シャトル便、シャトルバス(3)(←シャトルコック)バドミントンで打ち合う羽根。
ということで、(2)の意味ですが、用例にも「シャトルラン」は載っていませんでした。『明鏡国語辞典』『岩波国語辞典』も同様でした。
『新明解国語辞典』は、微妙に表現が違いました。
*「シャトル」=<(1)(2)略>(3)(短距離間を)定期的に往復するバス・列車・飛行機など。折り返し運転。(例)シャトル便、シャトルバス、スペースシャトル
とうことで、
「短距離間を」
という説明が入っていました。また『新選国語辞典』も「シャトルバス」を見出しに立てて、
「近距離間を往復運行するバスの便」
として、
「近距離間」
を説明に入れています。そうすると「シャトルラン」の日本語での説明は、
「短い距離を何度も走って往復するトレーニング」
といったところでしょうか。
ネットのグーグル検索では(7月6日)、
「シャトルラン」=85万2000件
で、トップに出て来たのは、
「20メートルシャトルラン(往復持久走)」
でした。そうか、ポイントの一つに「往復」もありますね。「何度も」は「持久走」か。
「20メートルシャトルラン」は、ウィキペディアにも載っていて要約すると、
「有酸素運動能力に対する体力測定の方法で『往復持久走』とも言う。1982年に専門誌で紹介され、文部科学省は2001年からスタートした新体力テストで、それまで行われていた急歩(男子1500m/女子1000mの持久走)との選択種目として採用。レベルは1~21まであり、反復の上限回数は247回。」
だそうです。
もう20年ぐらいの歴史があるのですね。日本語訳は、
「往復持久走」
が妥当かな。


