『校正のこころ~積極的受け身のすすめ・増補改訂第二版』(大西寿男、創元社:2009、12、10第1版第1刷・2021、5、20増補改訂第2版第1刷・2023,1、20増補改訂第2版第5刷)

2023 . 7 . 5

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毎日新聞校閲部のツイッターの記事でこの本の記事を見て「読みたいな」と思っていたら、出張で行った東京の日本新聞協会のビルの1階に入っている「ジュンク堂書店」で3冊、立てかけてあったので、即購入。さすが、プレスセンターに入っている本屋さんだけあって、客層をしっかりと捉えてらっしゃいますね。たぶん、毎日新聞校閲部のツイッターもチェックしているな。それにしても10年以上前にこんな本が出ていたとは、勉強不足で知りませんでした…しかも、ロングセラー。

一口に「校閲」といっても幅広い。私も「テレビ番組のテロップ等の校閲」をやっているが、本来の「活字の校閲」的なルールは、ちゃんとは知らない。ルールそのものも、テレビは「あって、ないようなところ」もあるので。番組によっても違うだろうし。一応「新聞社の校閲」担当者のОBにも入ってもらっている。しかし、やはり新聞や本などの「活字メディア」と「テレビの生放送」の一番の違いは「スピード」であろう。もう本当に「スポーツ感覚」でこなしていかなくてはならないので、活字校閲的な「慎重さ」や「熟考」をしている余裕がない。そして、「発注者」の「文字や表現に関する意識・知識」も、活字メディアより幅広くピンからキリまであるので、飛んでもない間違いが出てきたりすることもあり、対応が大変である。とはいえ、専門的な内容は、やはり「活字メディア」の方が「深い」と思うので、それぞれ一長一短のところがあるんだろうなあと、この本を読んでいて思いました。

本の前半は「本」などの「校正・校閲」に関する「心構え的なもの」が書かれていて、基本的にはそうなんだろうけど、そこはなかなかテレビには即、当てはめられないなという箇所もあったが、後半は「フムフムたしかに・・・」という箇所が多かったように感じました。

サブタイトルの「積極的受け身のすすめ」は、長年「アナウンサー」という「受注セクション」にいただけに分かる気がしました。

 

 

 

(2023、6、23読了)