随分前になりますが(2004年=19年前!)、
「平成ことば事情1888 ここやし」
というのを書きました。先日たまたま目にして、思い出しました。
読んでみたら、
「ここだよ!」
という意味の関西弁、
「ここやし!」
という言葉を、駅前で私服の高校生とおぼしき女の子が手を振りながら大きな声で言い、それに応えるように、女の子が手を振った方角から別の女の子2人が、
「おったし!」
と言ったという話。この、
「し」
です。それに関して、
「この場合『し』はなくても成立ちます。『ここや!』『おった!』という関西弁の会話なのだ」
と。そして、
「なぜか語尾に『し』が付いています。女の子の京都弁では、この語尾の『し』は昔から耳にするんですが、最近男女を問わず語尾に『し』をつける傾向があるようなのです。」
と続き、当時「小学1年生の息子」やその周辺の子供たちも使っていると、
「平成ことば事情1184おもしろかったしぃ」
に書いたことも記しています。(もう、その息子は、社会人になりましたが。)
また、2004年1月5日付「読売新聞・夕刊」の連載「新・日本語の現場~番外編・上」でも、
「『し』は『復習もしたし、予習もした』というのが普通だが、『ボクは元日から、トンカツを食べたし』などと、文末の言い切りに用いる。『し』に続く文章が用意されていないのだ。(中略)文末の『し』には断定的な言い方を避ける意図もうかがえる。」
として、この「し」が取り上げられており、
「関西だけでなく関東にも『し』は広がっているようです。」
と結んでいるのですが、この「し」の正体、分かりました!
これは、
「強調の『し』」
ですね!つまりあの、
「撃ちて『し』止(や)まん」
「やまと『し』うるわし」
の「し」なのではないでしょうか?
思い付きだけど、合っているんじゃない?
19年ぶりの直感ですが。


