「ミヤネ屋」のスタッフNさんから質問を受けました。
「『目につく』は、悪いことにしか使えないでしょうか?」
「うーん、『目につく』自体は、悪いことにでも良いことにでも使えると思うよ。でも実際に使われるケースが『悪いこと』のほうが多いから、そういうイメージが付いているんじゃないかなあ。」
「良いことの場合は『目に留まる』を使いませんか?」
「ああ、たしかに。でも、それも同じ理屈だと思うよ」
と答えてから、さらに考えました。そこで考え付いたのは、
「『目につく』もの・こと・人は『頻度が多い』、つまり『複数、散見される』のに対して、『目に留まる』もの・こと・人は『頻度が少ない』、つまり『めったに見られない・少数』だということではないか?例えば、『ゴミが落ちている』のは一つだけではなく、あちらこちらに“たくさん”落ちていて目に余る状態で、それが問題であるという場合は『ゴミが目につく』。そういうことは『よくある』ということかな。
逆に、ピカピカに磨き上げられてきれいな所に“一つだけ”ゴミが落ちているのに気が付いたら『ゴミに目が留まる』。その状態では『ゴミはほとんど見当たらない』ので『一つだけ』落ちていたら『目に留まる』。つまり『珍しい存在』だよね。
どちらも『ゴミ』は『マイナス評価』として『目につく』『目に留まる』わけですね。
一方、たくさんのスタッフの中から“抜群に優秀”なことが誰の目にも明らかな人(「大谷翔平選手」のような)は、そんなにたくさんはいない。“ごく少数の人”なので『目に留まる』けど、それはもちろん『プラス評価』ですね。つまり、
『少数だと「目に留まる」』
『多数だと「目につく」』
ということなんじゃないのかな」
と答えました。いかがでしょうか?
(2023、7、6)


