『続・横道世之介』(吉田修一、中央公論新社:2019、2、25)

2023 . 6 . 26

2023_059

 

 

先日(2023年5月30日)出た『永遠と横道世之介(上・下)』(2023読書日記056・057:毎日新聞出版)を読み終えて、過去の『横道世之介』を読み返してみようと思って本棚を捜して引っ張り出してきた。これが4年前か。すっかり内容を忘れていた。

最新作の『永遠と横道世之介』は「毎日新聞出版」から出てるけど(「毎日新聞」で連載していたから)、これは「読売新聞」で連載していたわけではないけど「読売新聞」系の「中央公論新社」から出ていたんだなと、改めて知る。

そしてここでは、パチンコ店での席の取り合いから知り合った「浜ちゃん」、そしてたまたま知り合った子連れの「桜」(通称・サク)と結婚寸前まで行く、20代のフリーターの世之介が、フラフラしながらも将来の職業となる「カメラマン」への道の端緒をつかむまでと、その桜の息子が、なんとマラソンの五輪代表になり「東京オリンピック」に出場する話などが出てきて、過去と現在が行ったり来たりするのがおもしろい。

これを読んで確信したが、『永遠と横道世之介』に出てきた、亡くなったフィアンセ「二千花(にちか)」は、これまでの作品には出てきていなかった。てっきり過去に出てきていたと思ったのは、間違いだった。映画化するなら、「桜」や「二千花」と言ったヒロインは誰にしようかなあ。そんなことを考えるのも楽しい、青春万歳!

 

 

(2023、6、14読了)