9011「自殺幇助か?自殺ほう助か?」

2023 . 6 . 28

9011

 

 

6月27日、歌舞伎俳優の四代目・市川猿之助容疑者が逮捕されました。容疑は、母親の自殺を手助けしたという、

「自殺ほう助」

です。この「ほう助」を「平仮名」との「交ぜ書き」で書くか?

それとも、漢字で「幇助(ほうじょ)」と書いてルビを振るか?

「幇」という漢字は、

「常用漢字ではない」(=表外字)

ので、漢字は使わずに、

「平仮名で書く」

のが、マスコミや公用文の原則ですが、どうしても使いたい場合は、

「ルビを振る」

ことになっています。ただ「刑法」の条文(202条)では、

「幇助」

と漢字で書かれていますが、ルビはありません。

「日テレ」は、この日のお昼のニュースで、

「自殺ほう助」

と平仮名との「交ぜ書き」にしていましたので、「ミヤネ屋」もそれに合わせました。

テレビ各社の夕方のニュースを見たら、

「МBS・ABC・KTV、NHK」

も、同じように、

「自殺ほう助」

でした。夕刊各紙は、分かれました。

「自殺ほう助」     =読売・毎日・日経

「自殺幇助(ほうじょ)」=朝日・産経

でした。

 

(2023、6、27)

(追記)

川崎市のNさんからメールを頂きました。いつもありがとうございます。

それによると、

「この話題、去年10月に、令和ことば事情8724『ほう助か?幇助か?』で書いていますよ」

え?書いてた?しかもそれが「去年10月」って、まだ8か月しかたっていないのに?

完全に忘れていました。

ねん2~3回は出てくるネタだということか。

前回と、テレビ・新聞各社の傾向は変わっていませんね。

それと「刑法の条文」の表記に関しては、

「刑法第202条の条文にルビがないのは、初出の第62条にルビがあるためですね。参議院法制局の『「禁錮」の表記』の説明によれば、初出個所だけにルビを付けることもあるということで、幾つかの法令を見た範囲ではそれが主流のようです。」

ということでした。

御教示いつもありがとうございます。

(2023、6、29)