6月27日、歌舞伎俳優の四代目・市川猿之助容疑者が逮捕されました。容疑は、母親の自殺を手助けしたという、
「自殺ほう助」
です。この「ほう助」を「平仮名」との「交ぜ書き」で書くか?
それとも、漢字で「幇助(ほうじょ)」と書いてルビを振るか?
「幇」という漢字は、
「常用漢字ではない」(=表外字)
ので、漢字は使わずに、
「平仮名で書く」
のが、マスコミや公用文の原則ですが、どうしても使いたい場合は、
「ルビを振る」
ことになっています。ただ「刑法」の条文(202条)では、
「幇助」
と漢字で書かれていますが、ルビはありません。
「日テレ」は、この日のお昼のニュースで、
「自殺ほう助」
と平仮名との「交ぜ書き」にしていましたので、「ミヤネ屋」もそれに合わせました。
テレビ各社の夕方のニュースを見たら、
「МBS・ABC・KTV、NHK」
も、同じように、
「自殺ほう助」
でした。夕刊各紙は、分かれました。
「自殺ほう助」 =読売・毎日・日経
「自殺幇助(ほうじょ)」=朝日・産経
でした。
(2023、6、27)



(追記)
川崎市のNさんからメールを頂きました。いつもありがとうございます。
それによると、
「この話題、去年10月に、令和ことば事情8724『ほう助か?幇助か?』で書いていますよ」
え?書いてた?しかもそれが「去年10月」って、まだ8か月しかたっていないのに?
完全に忘れていました。
ねん2~3回は出てくるネタだということか。
前回と、テレビ・新聞各社の傾向は変わっていませんね。
それと「刑法の条文」の表記に関しては、
「刑法第202条の条文にルビがないのは、初出の第62条にルビがあるためですね。参議院法制局の『「禁錮」の表記』の説明によれば、初出個所だけにルビを付けることもあるということで、幾つかの法令を見た範囲ではそれが主流のようです。」
ということでした。
御教示いつもありがとうございます。
(2023、6、29)