8988「督戦部隊」

2023 . 6 . 1

8988

 

5月22日のNHK「映像の世紀」で「独ソ戦」を取り上げていました。

その中で出て来たもの(言葉)に、

「督戦(とくせん)部隊」

というのがありました。これは、

「見張り部隊」

のことだそうです。

スターリンの指示で、

「前線から後退してくるソ連兵を見張っていて、銃殺していた」

のだそうです…敵に殺されるのではなく、味方に殺されるのか…。コワッ!

もう、そうなったら、味方に殺されるような不名誉は避けるために、前線(敵)に向かって行くしかない…「行くも地獄、退くも地獄」、「前門の虎、後門の狼」ですね…。

ところでこの、

「督戦」

という言葉は辞書に載っているのかな?

「広辞苑」、載っていました。

*「督戦」=部下を監督激励して戦わせること

優しい感じですね。

「明鏡国語辞典」は、

*「督戦」=部下を監督・激励して戦わせること。また、後方にあって前線の軍を監督すること。(例)督戦隊

あ、この後ろの方の意味だ「督戦隊」って載っている。

さらに「新明解国語辞典」は、

*「督戦」=戦闘で部下を励まし、その戦いぶりを監視すること。(例)督戦隊(=後方から前線の友軍を監視する部隊)

「監視する」のであって、「支援する」ではないんですもんね。厳しいなあ…。

でも「督戦(部)隊」の隊員も、結構、心理的には厳しいものがあるのではないでしょうか。自分だったら戦いたくない、ましてや逃げて来る「味方」を撃つなんて…と。

さらに「三省堂国語辞典」では、

*「督戦」(1)部下をはげまして戦わせること(2)うしろのほうから味方の将兵を監視して戦わせること(例)督戦隊

「三国」は、意味を2つに分けていますね。(2)のほうだな、ここで出て来たのは。

第二次世界大戦における死者は、ソ連が2700万人、ドイツが300万人だったそうです…。

いま、ウクライナとの戦争を見ていると、そういう部隊があるのでしょうかね…。

グーグル検索では(6月1日)

「督戦」  =18万7000件

「督戦隊」 = 1万9500件

「直線部隊」=   6500件

で、ウィキペディアの「督戦隊」の意味は、こう載っていました。

「督戦隊とは、軍隊において、自軍部隊を後方より監視し、自軍兵士が命令無しに勝手に戦闘から退却(敵前逃亡)或いは降伏(投降)する様な行動を採れば攻撃を加え、強制的に戦闘を続行させる任務を持った部隊のことである。」あ、これだわ。

(2023、6、1)