8973「越水か?溢水か?」

2023 . 5 . 15

8973

 

 

5月8日、兵庫県伊丹市の天神川で堤防が決壊して、水と土砂があふれました。

そのニュースを「ミヤネ屋」でお伝えしましたが、その際に、

「越水」

という言葉が出て来ました。似た言葉には、

「溢水(いっすい)」

という言葉もありますが、意味の違いはどうなんでしょうか?調べてみました。

「広辞苑」を引くと、

*「溢水」=水があふれる出ること。また、あふれさせること。

と載っていましたが、「越水」は載っていませんでした。「精選版日本国語大辞典」も同様です。

「明鏡国語辞典」も、

*「溢水」=水があふれ出ること。(例)堤防が切れて溢水する。

は載っていましたが「越水」は載っていませんでした。

「新明解国語辞典」には「溢水」も「越水」も載っていました!

*「溢水」=水があふれること。水をあふれさせること。

*「越水」=川などの水が増水し、堤防を越えて流れ出ること。また、その水。

「三省堂国語辞典」では「溢水」は載っていなくて、「越水」は載っていました。

*「越水」=河川の水が堤防をこえて流れ出ること。また、そのあふれ出る水。(ダム湖の水があふれ出ることにも言う)

とありました。

国土交通省のサイトでこれらの用語を見てみたら、

「洪水」「反乱」「浸水・冠水」と並んで、

「溢水・越水」

についても記されていました。それによると、

「川などの水があふれ出ること。堤防がないところでは『溢水』、堤防のあるところでは『越水』を使う。」

とありました。そうだったのか!

今回は「堤防があるところ」でしたが「決壊」したこによって、

「越水」

したのですね。

一日も早い復旧を望みます。

 

(2023、5、15)