5月2日の「ミヤネ屋」で、ゴールデンウイークに海外から来るお客さんの一番の人気スポットは、横浜にある、
「動くガンダム」
だと紹介しました。このガンダムの高さ18m。原作アニメに出て来る、
「データ通りの大きさ」
なのだそうです。それを指して、中継のテロップが、
「実寸大」
となっていました。あまり「実寸大」という言葉は見慣れません。普通は、
「原寸大」
ではないか?と思ったのですが、ネットで調べてみたら、
「実寸大」=設計図などデータがあるが実物がない場合、そのデータに基づく大きさ
「原寸大」=実際にある本物と同じ大きさ(レプリカなど)
ということで、つまり、
「原寸大」=「実物大」
で、「ガンダム」は、
「アニメ世界のもの」
なので「実物」があるわけではないので、「実物大=原寸大」は使えない。だから、
「実寸大」
なのかと納得したのですが、本文の原稿とテロップを見ると、なんと、
「実物大」
となっていました。結局、本文に合わせて中継のテロップも、
「実物大」
にしましたが、本来は、
「実寸大」
のほうが良かったのかなあという気もしました。ただ、言葉として通りがいいのは、
「実物大」
でしょうけどね。
グーグル検索では(5月2日)、
「実寸大」= 74万0000件
「原寸大」=233万0000件
「実物大」=420万0000件
辞書も引いておきましょう。
「三省堂国語辞典」は「実寸大」「実物大」「現寸d内」は見出しを立てていませんが、見出しを立てている「実寸」の2番目の意味である、
「(2)実物の寸法どおりであること。」
の用例に、
「実寸大のロボット」
が載っていました。ということは、こういう世界(ロボット、アニメ)では「実寸大」が使われているのか?
そして、「実物大」は「実物」の1つ目の意味の、
「(1)実際の(もの・物体)。」
の用例として、
「実物大の模型」
とあって、
「実寸大」=ロボット
「実物大」=模型
という非常に微妙な違いの用例を載せていますが、私の説に近いですねこの用例は。
「原寸大」は「原寸」の意味である、
「現物と同じ寸法」
の用例で、まさにそのまま「原寸大」と出て来ますが、何に使うかは書かれていません。
「明鏡国語辞典」は、その意味と用例を、
「実寸」=実際の寸法。サイズ。(用例なし)
「実物」=(模型や複写などでない)実際の物。本物。
「現寸」=実物と同じ寸法。現尺。(例)原寸大の模型
そして「実物大」も見出しを立てています。
「実物大」=実物と同じ大きさ(例)実物大の銅像
ありゃ。これは「実物大」かな?「等身大の銅像」なのでは?でも「銅像」が「人」とは限らないか。
「広辞苑」「精選版日本国語大辞典」は「原寸大」「実物大」は見出しがありましたが、「実寸」「実寸大」は見出しがありませんでした。
うーん、やはり「実寸大」は新しい言葉かもしれませんね。そして意味のつかいわけも私が最初にネットで検索して出て来たものが合っているのではないでしょうか。


