3月28日に京都の保津川で起きた転覆事故で、その原因として、
「空舵(からかじ)」
という言葉が出てきました。この、「舵」は常用漢字ではありません。音読みは、
「ダ」
ですね。「舟へん」に、右側の「旁(つくり)」は、
「ダ」
と読みますからね。大体「旁(つくり)」は発音を規定するんですね。そこで「舵」と同じ「旁(つくり)」を持つ漢字を並べてみました。
「舵(かじ)」
「鉈(なた)」
「蛇(へび)」
「舵」と「鉈」の音読みは「ダ」だけど、「蛇」は、
「ジャ」
ですね。でも歌人の、
「飯田蛇笏(だこつ)」
の「蛇」は「ダ」ですね、「ジャ」じゃなくて。
「蛇足」
も「ダ」ですね。そもそも「ダ」と「ジャ」は、音が似てるな。もしかしたら「漢音」と「呉音」の違い?本当の音は「ダ」と「ジャ」の「中間」?「~だ」という断定の口調を、ちょっと年寄りっぽくしたら「~じゃ」になりますが、意味は同じですよね。それと関係あるかな?
その他にも探してみました。
「滂沱の涙」の「沱」
「駱駝」「駝鳥」の「駝」
「仏陀」「阿弥陀」の「陀」
これらは全部「ダ」ですね。ということは、
「ジャ」
と読むほうが、例外的なのかな?「ダ」「ジャ」レは好きですが。
漢和辞典を引いてみたら「蛇」は、
【漢音】タ・シャ
【呉音】ダ・ジャ
でした。呉音は濁るのか。でも両方、「ダ・ジャ」(タ・シャ)の読み方があるんだな。
そもそも、
「它」
という「旁(つくり)」部分の部首は、
「タ」
と「清音」で読むそうです。たしかに、
「叱咤激励」
の、
「咤」
は「タ」で、濁りませんね。
「タ」の発音で舌を打たずに息を強く出すと「シャ」になるんですよね。
舌を、下の歯の根元にくっつけると「ダ」と濁ります。
つまり、これらの音は「親戚」みたいな感じですかね?
(2023、4、17)


