8946「『ダ』と『ジャ』」

2023 . 4 . 19

8946

 

 

3月28日に京都の保津川で起きた転覆事故で、その原因として、

「空舵(からかじ)」

という言葉が出てきました。この、「舵」は常用漢字ではありません。音読みは、

「ダ」

ですね。「舟へん」に、右側の「旁(つくり)」は、

「ダ」

と読みますからね。大体「旁(つくり)」は発音を規定するんですね。そこで「舵」と同じ「旁(つくり)」を持つ漢字を並べてみました。

「舵(かじ)」

「鉈(なた)」

「蛇(へび)」

「舵」と「鉈」の音読みは「ダ」だけど、「蛇」は、

「ジャ」

ですね。でも歌人の、

「飯田蛇笏(だこつ)」

の「蛇」は「ダ」ですね、「ジャ」じゃなくて。

「蛇足」

も「ダ」ですね。そもそも「ダ」と「ジャ」は、音が似てるな。もしかしたら「漢音」と「呉音」の違い?本当の音は「ダ」と「ジャ」の「中間」?「~だ」という断定の口調を、ちょっと年寄りっぽくしたら「~じゃ」になりますが、意味は同じですよね。それと関係あるかな?

その他にも探してみました。

「滂沱の涙」の「沱」

「駱駝」「駝鳥」の「駝」

「仏陀」「阿弥陀」の「陀」

これらは全部「ダ」ですね。ということは、

「ジャ」

と読むほうが、例外的なのかな?「ダ」「ジャ」レは好きですが。

漢和辞典を引いてみたら「蛇」は、

【漢音】タ・シャ

【呉音】ダ・ジャ

でした。呉音は濁るのか。でも両方、「ダ・ジャ」(タ・シャ)の読み方があるんだな。

そもそも、

「它」

という「旁(つくり)」部分の部首は、

「タ」

と「清音」で読むそうです。たしかに、

「叱咤激励」

の、

「咤」

は「タ」で、濁りませんね。

「タ」の発音で舌を打たずに息を強く出すと「シャ」になるんですよね。

舌を、下の歯の根元にくっつけると「ダ」と濁ります。

つまり、これらの音は「親戚」みたいな感じですかね?

 

(2023、4、17)