8934「待ち伏せた男」

2023 . 4 . 11

8934

 

 

2015年4月8日の「ミヤネ屋」の「250ニュース」で、

「待ち伏せた男たち」

というフレーズが出て来て、「うん??」っと引っかかりました。

「待ち伏せ」

という「名詞」はありますが、

「待ち伏せる」

という「動詞」はあるのでしょうか?

「『待ち伏せ』していた男」

ならば分かるのですが。つまり、

「待ち伏せ」(名詞)+「する」(動詞)=「待ち伏せする」

なら納得するのですが。

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こここまで書いて8年が経ちました…。

辞書を引けばよかったんですよ。国語辞典。

『三省堂国語辞典』を引いたら「見出し」に「待ち伏せる」はなく、「待ち伏せ」を引くとその説明の中に、

【動】待ち伏せる(下一)

とありました。『新明解国語辞典』も載っていましたが、『明鏡国語辞典』『岩波国語辞典』『新選国語辞典』は「待ち伏せ」(サ変)しか載っていませんでした。

ところが!

『精選版日本国語大辞典』には、「待ち伏せる」が見出しで立項されていました!

*「待ち伏せる」=(文)まちぶす。めざす相手の来るのを隠れ待つ。

この用例が、なんと、

「浮世草子・世間胸算用(1692)四」

でした。そんなに歴史があるのか!

見てみると、

「大坂よりの帰りをまちふせし所に」

とありました。あれ?この、

「まちふせし」

というのは、

「まちぶせする」

の形であって、

「まちぶせる」

の形ではないような。というか文語の終止形「まちぶす」を活用させると、「下一段活用」だから、

(未)まちぶせ

(連用)まちぶせ・まちぶし

(終止)まちぶす

(連体)まちぶする

(已然)まちぶせれ

(命令)まちぶせろ

かな?(違ったら、ごめんなさい、中学校か高校レベルの文法知識が、もうサビ付いているので…。)この「連用形」の「まちぶせ」に助動詞(?)の「し」が付いたのかな。これはでも「まちぶせ」という名詞に、サ変動詞の文語「す」の連体形「し」がくっついたような感じもあるけど、見た目ではわからないですね。

でも「待ち伏せる」という形は「待ち伏せする」より少ないけど、使われているということか。

そうそう、グーグル検索(4月7日)

「待ち伏せる」 = 9万6800件

「待ち伏せする」=10万8000件

でした。うわー、拮抗してる!

 

(2023、4、7)