昨年(2022年)10月、154人が亡くなった韓国・梨泰院(イテウォン)での雑踏転倒事故。その事故の模様を伝える、10月31日の日本テレビ「news every.」のナレーションの中に、雑踏の人の流れに逆らうことができないで押されて流される様子を、
「なされるがままに」
という言葉がありました。
「なすがままに」
は成句として使われますが、これを「受け身形」にした、「なされるがまま」もOKなのでしょうか?
「踏んだり蹴ったり」
は「やられる側の言葉」なのに、「受け身」にして
「踏まれたりけられたり」
とは言いませんよね?それと同じことがあるのではないか?と思ったのですが。
と、ここまで去年(2022年)10月31日に書いたまま、ほったらかしで半年たちました。それで「なすがまま」と「なされるがまま」をグーグル検索してみました。(2023年4月11日)
「なすがまま」 =47万1000件
「なされるがまま」=16万5000件
でした。
うーん、半年たって見てみたら、別に「なされるがまま」も特におかしくないような気がしてきた。でも「なすがまま」も、
「なすがままにする」
ではなく、
「なすがままにされる」
と「受け身」で使えますよね。それなのに「なす」を「受け身」にして「なされる」とする必要があるのか?というところが、疑問点なんですよね。
これも検索してみると、
「なすがままにされる」=4万5900件
でした。うーん、どうなのかなあ?
「あるがままに」
とは言うけど、
「あられるがままに」
とは言わない。
「言うがままに」
と言うし、
「言われるがままに」
ともいう。これは両方、使いますね。
「するがままに」
は使わんでもないが、普通は、
「されるがままに」
ですね。うーん、これはなんか難しいなあ。
(2023、4、11)


