3月28日に、京都の保津川下りで起きた転覆事故。この船はエンジンは付いておらず、船頭さんが4人乗っていて「竹の竿」を使って舵を取りながら、亀岡から嵐山まで保津川を下って行くのです。昔、一度、乗ったことがあります。
今回は、子ども3人を含む25人のお客さんと船頭4人の「29人」が乗っていました。川下りとしては、そこそこ大きなものですね。
さてこの転覆事故を起こした「ふね」ですが、漢字で書くと、
「『船』か?『舟』か?」
「公益財団法人 日本海事広報協会」のサイトを見たら、こう記されていました。
「ふねをあらわす漢字には舟、艇、船、舶などたくさんありますが、どの漢字も意味は同じです。現在は船の大きさによって漢字をつかいわけています。舟はごく小さく人の力で動かすふねです。艇は小型のふねで短艇、艦艇などとつかわれます。船は小型から大型のものまでもっとも広くつかわれています。舶は大型のふねを意味します。ですから船舶というと、小型から大型まですべてのふねをさします。」
まあ、そうですよね。つまり一般的には、
「船」=「大きくて(大勢乗れて)、エンジン(スクリュー)が付いている」
「舟」=「小さくて(少ない人数しか乗れず)、手漕ぎ。エンジンは付いていない」
という違いだと思います。ただ、
「何人までが小さくて、何人以上が大きいのか?」
という基準はありません。そこで、
「エンジンが付いているかどうか」
だけで判断すると、今回の「ふね」は、
「船頭が漕いで、川の流れに乗る」=「エンジンは付いていない」
ので、
「舟」
ということになります。でも「池の手漕ぎボート」のように「2人乗り」という規模ではなく、「29人」も乗っていたので、その意味では「大きなふね」なので、
「船」
とも言えます。各社のニュースを見て見たら、
「船」=読売テレビ、ABC
「舟」=NHK、MBS、関西テレビ
と2つに分かれていました。そして、翌3月29日の朝刊は、
「船」=読売新聞、朝日新聞
「舟」=毎日新聞、産経新聞、日経新聞
で、やはり2つに分かれていました。系列的には同じなのかな。
ちなみに、関連用語でいうと、
「遊船」「操船」「乗船所」「船着き場」
などの言葉は全て、
「船」
です。「船」という大きなくくりの中に「舟」があると考えればいいのではないでしょうか?


