3月29日の「ミヤネ屋」でテロップをチェックしていたら、韓国の話題の際に、
「京郷新聞」
という名前の新聞が出て来ました。この、
「京郷」
に「現地音」で「カタカナのルビ」を振るので調べたところ、
「キョンヒャン」
と読むのでした。それで、テロップ作成のオペレーターの20代の女性スタッフに、
「『京郷(きょうごう)』の上に『キョンヒャン』とルビを振ってください」
とお願いしました。30秒後に出来上がったテロップの画面を確認したら、
「ピョンヒャン」
になっていました。そこで少し声を大きくしてハッキリと、
「違う違う!『ピョン』じゃなくて『キョン』!『キョンキョン』の『キョン』!『キョンシー』の『キョン』!」
と言ったら、笑っていました。横にいた40代半ばの男性ディレクターが、
「道浦さん、若い子に『キョンキョン』は通じませんよ。僕らでギリギリですわ」
と言われたので、
「え?『キョンキョン』、小泉今日子は、わかるやろ、だって『あまちゃん』にも出てたし」
と言うと、
「『あまちゃん』も、もう10年ぐらい前とちゃいますか」
と言われました。私の認識が「あまちゃん」でした…。そして彼は、その横にいた30代半ばの女性ディレクターに、
「なあ、『キョンキョン』、わかれへんやろ?」
と声をかけると、
「うーん、わかりますけど、使いませんねえ」
「じゃあ『キョンシー』は?」
と聞くと、30代の女性ディレクターは、
「何ですか?それ?」
と言うので、
「『中国のゾンビ』やな。死人が両手を前に出して、ピョンピョンって跳ぶねん。でも、おでこにお札を貼ったら、動きが止まるねん」
と説明しました。
40代の男性ディレクターは、
「わかかりますよ!僕、小学生ぐらいやったけど、めっちゃ流行りましたよね」
「俺、もう働いてたわ…」
さらに40代男性ディレクターが、
「めっちゃ流行りましたよね!今やったら『ハロウィーン』とかの時に、渋谷の街は『キョンシーだらけ』になるぐらいと違いますか?」
と、大げさに興奮した口調で話します。
でも、40代には伝わっても30代でこの反応では、20代のテロップオペレーターの女性に「キョンキョン」や「キョンシー」で、
「『ピョン』ではなく『キョン』」
とわかってもらうのは無理ですね・・・
あっそうか、“そのものズバリ”があったやん!
「八丈島のキョン!」
です!「がきデカ」です!あの、何かようわからん動物です!(シカ科の哺乳類らしい)
え?それは「キョンキョン」や「キョンシー」より古いって?
「いやいや最近、『八丈島のキョン』が千葉県で増えて、大変なことになっているというニュースやってたから、大丈夫とちゃうか?」
と言いましたが、やはり動物の「キョン」も、若者は知りませんでした。
「うーん、困った。『キョン』という言葉は、どうやって説明すればいいんだ?」
と思って、ここで初めて国語辞典を引いてみました。
ところが!大きな国語辞典でも、「キョン〇〇」で載っているのは、
「(動物の)キョン」
ぐらいでした。漢字では、
「羗」
と書くのですね。そして「キョンキョン」が載っていないのは仕方ないとしても「キョンシー」も載っておらず、それ以外では、
「朝鮮半島の地名」
として、
「京畿道(キョンギド)」
などいくつかが載っているだけなのです。うーむ、これでは説明できないではないか!
そうか、そもそも、
「拗音の『キョン』という音を持つ言葉は、日本語にはなかった」
のですね。納得しました。しょうがない、これから「キョン」を説明する時は、
「キョ」+「ン」
と分けて説明することにします。もしくはあくまで、
「キョンキョン」「キョンシー」「八丈島のキョン」
で押し通すか、だな!


