2月3日、用語懇談会のオンライン会議あったので、その時間帯、「ミヤネ屋」のテロップチェックを代わりに担当してくれた同期のI君から、
「『準じる』と『準ずる』は、どっちだっけ?」
と質問が。
「「『準じる』は口語、『準ずる』は文語だと思うよ」
と答えましたが、I君曰く、
「『NHK言葉のハンドブック』には、『準ずる』で載っているんだけど」
とのことで、見せてもらったら、確かにそう載っています。
『広辞苑』で「準じる」を引いたら、
「『準ずる』に同じ」
とあり、「準ずる」を引いたら意味がたくさん載っていて、その最初に、
<【文】準ず>
とありました。
あ、そうか!「文語」の終止形は「準ず」か!それが「口語」では「準ずる」が終止形になったのか!だから口語の元の正しい形は「準ずる」ということで、NHKはそれを採用しているのか!
『精選版日本国語大辞典』で「準じる」を引いたら、
*「準じる」(サ変動詞「じゅんずる(準)」の上一段化した語→準ずる)*カクテル・パーティー(1967)<大城立裕>後「ハリスへの説得ということは、法律に準じる仕事ではないのか」
と記されていました。「上一段化した語」ということは「間違い」とか「誤用」ではなく、
「もうすでに『語』として定着している」
ことを認めているのですね。用例は「1967年」と比較的新しいです。
『三省堂国語辞典・第八版』では、見出し語は、
「準じる」
だけで「準ずる」は載っていませんでした。
元々正しくは「準ずる」だったが、いまやもう「準じる」に変わったと考えて、いいのではないでしょうか?
(2023、3、20)


