3月7日、読売テレビのニュースを見ていたら、大阪市都島区の火災の中継リポートで、若い女性記者が
「黒煙」
のアクセントを、
「コ/ク\エンガ」
と「中高アクセント」で、言っているのを聞いて「えっ!?」と驚きました。というのは、「中高」の「コ/ク\エン」は、
「黒鉛」
だからです。原発の大変な事故のニュースかと思ってしまいましたが、もちろん大阪市都島区に原発などなく、
「黒い煙」
が、マンションから上がっている、というニュースでした。「黒い煙」の意味の「黒煙」は、
「コ/クエン」(平板アクセント)
です。ただ『NHK日本語発音アクセント新辞典』を引くと、「黒煙」は「平板アクセント」しか載っていませんが、「黒鉛」は「中高アクセント」「平板アクセント」の順番で2つ載っていました。いずれにせよ「黒い煙」の「黒煙」は「平板アクセントだけ」です。
ところが、この日の夕方のニュースでも、新人女性アナウンサーも、
「コ/ク\エン」
と「中高アクセント」で読んでいたのです。当然注意しましたが、もしかしたら若い人は「黒煙」という言葉に、あまり接したことがないのかもしれません。それなら、
「黒い煙」
と言えばいいのに。
(2023、3、13)


