宮崎哲弥さんの本を読んでいたら、
「『感に堪えない』と『感に堪える』は同じ意味」
と書かれていました。一瞬、なんか変感じがしましたが、同じような表現は他にもありそうです。
「やっても同じ・やらなくても同じ」「やってもやらなくても同じ」
「感謝する・感謝しきれない」
「我慢する・我慢しきれない」。あ、これは逆の意味か。
「食べる・食べきれない」
は、両方「食べてる」。それに対して、
「食べない」は、「食べていない」ですね。
つまり、
「肯定形の極限」
までやって、ついには、
「その限度を超えるぐらい(そのことを)する・した」
という意味で、
「ベクトルの方向は同じ」
なんですね。
「ない」を「単に否定」と考えると、
「ベクトルの向きが逆」
だと思ってしまいがちですが、「同じベクトルの向き」で、その「極限K点」を超えてしまった、
「最上級の表現」
と言えるのではないでしょうか。
(2023、3、1)


