8878「『感に堪えない』と『感に堪える』」

2023 . 3 . 1

8878

 

 

宮崎哲弥さんの本を読んでいたら、

「『感に堪えない』と『感に堪える』は同じ意味」

と書かれていました。一瞬、なんか変感じがしましたが、同じような表現は他にもありそうです。

「やっても同じ・やらなくても同じ」「やってもやらなくても同じ」

「感謝する・感謝しきれない」

「我慢する・我慢しきれない」。あ、これは逆の意味か。

「食べる・食べきれない」

は、両方「食べてる」。それに対して、

「食べない」は、「食べていない」ですね。

つまり、

「肯定形の極限」

までやって、ついには、

「その限度を超えるぐらい(そのことを)する・した」

という意味で、

「ベクトルの方向は同じ」

なんですね。

「ない」を「単に否定」と考えると、

「ベクトルの向きが逆」

だと思ってしまいがちですが、「同じベクトルの向き」で、その「極限K点」を超えてしまった、

「最上級の表現」

と言えるのではないでしょうか。

 

(2023、3、1)