「ポカポカ陽気」(ポ/カポカヨ\ーキ)
という言葉を聞いて思ったのは、暖かいさまを表す「擬態語」(実際に音がしているわけではない)の「ポカポカ」のアクセントです。この場合は、
「ポ/カポカ」(平板)
ですが、
「きょうはポカポカするね」
という場合だと、
「ポ\カポカ」(頭高アクセント)
になります。表記は「平仮名」でも「カタカナ」でもよさそうです。
そして、同じ「ポカポカ」(「ぽかぽか」)でも、
「殴る」
ということの形容であれば、
「ポ\カポカ」(頭高アクセント)
しかないでしょうね。この「ポカポカ殴る」は「擬音語(擬声語)」で、実際に音がしていそうです。表記は「カタカナ」のほうが、ふさわしいでしょう。
他にも、「アクセントは違うが、同じ発音をする言葉の意味の違い」について考えてみました。たとえば「ボロボロ」。
「服がボロボロ」
のように、「カタカナ表記」がふさわしくて、
「服や靴、生地などが古くて汚い様子」
を指す「擬態語」で、アクセントは「平板アクセント」の、
「ボ/ロボロ」
です。
辞書(「精選版日本国語大辞典」)を引くと、元々「ぼろぼろ」という言葉が先にあって、そこから、「古く破れた布切れ」のことを「ぼろ」と言うようになったのだそうです。へえー。「逆」かと思っていました。
一方、「平仮名」表記がふさわしいように思う、
「ぼろぼろ」
のほうは、
「何かが剥がれて落ちる様子」
を指して言い、アクセントは「頭高」で、
「ボ\ロボロ」
たとえば、
「涙がボ\ロボロこぼれる」「クッキーのクズがボロボロと落ちる」
のような感じです。「擬態語」なのか「擬音語(擬声語)」かと言うと、やや「擬音語」かなあ。音はしないかもしれないけど。
「ボロボロ」も「ぼろぼろ」も共に、元の意味を考えると、
「滅びる」
から来ているのではないでしょうか?とふと思いました。
こういった言葉は、他にもいろいろありそうですね!



(追記)
読者の方から「ふさわしいくて」とあるのは「ふさわしくて」の誤植では?というご指摘を頂きました。
ご指摘通り、打ち間違いです。修正致しました。ご指摘、ありがとうございました!
(2023、3、20)