8901「ぼろぼろとボロボロ ぽかぽかとポカポカ」

2023 . 3 . 17

8901

 

 

「ポカポカ陽気」(ポ/カポカヨ\ーキ)

という言葉を聞いて思ったのは、暖かいさまを表す「擬態語」(実際に音がしているわけではない)の「ポカポカ」のアクセントです。この場合は、

「ポ/カポカ」(平板)

ですが、

「きょうはポカポカするね」

という場合だと、

「ポ\カポカ」(頭高アクセント)

になります。表記は「平仮名」でも「カタカナ」でもよさそうです。

そして、同じ「ポカポカ」(「ぽかぽか」)でも、

「殴る」

ということの形容であれば、

「ポ\カポカ」(頭高アクセント)

しかないでしょうね。この「ポカポカ殴る」は「擬音語(擬声語)」で、実際に音がしていそうです。表記は「カタカナ」のほうが、ふさわしいでしょう。

他にも、「アクセントは違うが、同じ発音をする言葉の意味の違い」について考えてみました。たとえば「ボロボロ」。

「服がボロボロ」

のように、「カタカナ表記」がふさわしくて、

「服や靴、生地などが古くて汚い様子」

を指す「擬態語」で、アクセントは「平板アクセント」の、

「ボ/ロボロ」

です。

辞書(「精選版日本国語大辞典」)を引くと、元々「ぼろぼろ」という言葉が先にあって、そこから、「古く破れた布切れ」のことを「ぼろ」と言うようになったのだそうです。へえー。「逆」かと思っていました。

一方、「平仮名」表記がふさわしいように思う、

「ぼろぼろ」

のほうは、

「何かが剥がれて落ちる様子」

を指して言い、アクセントは「頭高」で、

「ボ\ロボロ」

たとえば、

「涙がボ\ロボロこぼれる」「クッキーのクズがボロボロと落ちる」

のような感じです。「擬態語」なのか「擬音語(擬声語)」かと言うと、やや「擬音語」かなあ。音はしないかもしれないけど。

「ボロボロ」も「ぼろぼろ」も共に、元の意味を考えると、

「滅びる」

から来ているのではないでしょうか?とふと思いました。

こういった言葉は、他にもいろいろありそうですね!

 

(2023、3、16)

(追記)

読者の方から「ふさわしいくて」とあるのは「ふさわしくて」の誤植では?というご指摘を頂きました。

ご指摘通り、打ち間違いです。修正致しました。ご指摘、ありがとうございました!

(2023、3、20)