2021年10月12日の「ミヤネ屋」で、
「おっしゃりました」
「訪問してくださりました」
という言葉が出て来て「おやっ?」と思いました。これは、
「おっしゃいました」
「訪問してくださいました」
ではないのか?
つまり「り」ではなく「い」ではないか?と思ったのです。
「くださる」「おっしゃる」
を「連用形」で「ます」「ました」につなげるときは、
「イ音便」
になって、
「り→い」
に音が変わるからです。
「イオン便」ではありませんよ、「イ音便」です。辞書を引くと、
「イ音便」= 音便の一つ。発音の便宜のために、おもに活用語末などの、「き」「ぎ」「し」の子音「k・g・s」が脱落して「イ」の音になる現象。「書きて」が「書いて」に、「次ぎて」が「次いで」に、「殺して」が「殺いて」に、「熱き」が「熱い」に、「后(きさき)」が「きさい」になる類。まれには「ござります」が「ございます」に、「たてまつる」が「たいまつる」になるように「r・t」の音にも見られる。平安時代初期に発生し、以後多くなった。現代語の形容詞「━い」は文語の形容詞の連体形「━き」のイ音便がもと。また、サ行四段の動詞の連用形は現代の共通語ではイ音便にならない。
とありました。この日の「ミヤネ屋」では、
×「おっしゃりました」→〇「おっしゃいました」
×「訪問してくださりました」→〇「訪問してくださいました」
に直して放送しました。
(2023、2、6)



(追記)
なんと!
既にこれについては「2017年」に書いていました!しかもあの「三国」の飯間さんの解説付きで!ということは解決済みか!?
平成ことば事情6622「『おっしゃりたい』か?『おっしゃいたい』か?」
さらにそれより前にも書いていたのです。「2016年」に。
平成ことば事情6181「『ござりまする』のイ音便」
なんか、ずっと引っかかっているんですよね。これは。
(2023、5、16)